レポート広島県 『日鉄日新製鋼グループ』の取引先実態調査

はじめに

中国の経済成長を背景に世界的な需要が伸び続けてきた鉄鋼業界。しかし、最大の需要国であり生産国でもある中国経済の減速が表面化していることなどで世界市場での過剰感が強まり、需要の低迷が長期化することが予想され、国内メーカーでも再編の動きが強まっていた。こうした中、日本製鉄(株)が広島県呉市にある日鉄日新製鋼(株)呉製鉄所の高炉2基について、稼働休止を検討することと、将来に向けて閉鎖する方針を検討していることが報道された。現在、日本製鉄から正式発表はないものの、呉市の基幹産業として地域経済を支えてきただけに報道どおりの状況になれば、その影響は限りなく大きい。

そこで、帝国データバンク広島支店では、企業概要データベース「COSMOS2」（147万社収録）の中から、広島県内に本店があり、日鉄日新製鋼(株)およびグループ会社を取引先とする企業を抽出した。該当する117社を業種別、資本金別、売上規模別、従業員数別に調査・分析した。

■『日鉄日新製鋼グループ』について、日鉄日新製鋼(株)（TDB企業コード：404007243）を中核に、100％出資子会社の日鉄日新製鋼建材(株)（985435603）、日鉄日新鋼管(株)（987059068）、日鉄日新ビジネスサービス(株)（985336436）、日鉄日新海運(株)（580188106）、日鉄日新工機(株)（600261596）の計6社を調査対象として抽出した

■取引の有無、売上高、所在地、業種などは最新のものとしたが、変動している可能性もある

調査結果

1.   業種別、『卸売業』が37.6％で最多
2.   業種細分類別、『製缶板金業』が最も多く
3.   資本金別、『1000万～5000万円未満』が65.8％
4.   売上規模別、『1億～10億円未満』が47.0％を占める
5.   従業員数別、『10人～100人未満』が半数近くを占める