レポート

2016年度・北陸3県未上場建設業者の経営実態調査

中小業者の労務・外注費率が上昇 ~ 原価率は3県ともに改善 ~

はじめに

民間需要に支えられ、建設業界は比較的安定した推移を見せている。北陸3県では2017年の1年間の建設業の倒産件数は26件と前年41件から大きく減少、過去10年間で最少となった。ただ、深刻化する人手不足や資材価格の動きを踏まえると、建設業界においても労働力確保や生産性の向上や伸び悩む公共事業など課題は多い。

帝国データバンクは、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)および企業財務データベース「COSMOS1」(82万社、590万期収録)の中から、北陸3県に本社があり、過去との業績比較が可能な未上場建設業者(一般土木建設業者、建設業者、土木業者、木造建築業者、舗装工事業者、しゅんせつ工事業者)を抽出。「売上高」「売上原価率」「労務・外注加工費率※」などについて、分析を行った。

■「売上原価率」(売上原価÷売上高、以下「原価率」)は、実績値の判明した331社、「労務費・外注加工費比率」(<労務費+外注加工費>÷売上高、以下「労務・外注費率」)は、同じく276社をそれぞれ分析対象とした

※製造原価明細書における「労務費」「外注加工費」の項目から数値を算出した

調査結果

  1. 北陸3県の未上場総合建設業者の2016年度売上高合計は5548億6百万円となり、前年度比3.1%の減少となった。2年連続で増収企業が過半数割れしており、増収企業の構成比も3年連続で前年度を下回った
  2. 増益(売上総利益)企業の構成比は54.7%、県によって差はあるが、北陸3県では前年度比1.5pt増加、若干であるが改善の動きをみせた
  3. 「原価率」の平均は82.9%と前年度比1.0pt低下、「労務・外注費率」の平均は53.5%で前年度比0.6pt増加した
  • 4 売上規模別にみると、規模の小さい1億円未満の企業を除けば、年商10億円以上50億円未満の企業の「労務・外注費率」が前年度比最も高くなっており、中堅企業で労務費や外注費の負担が大きくなってきていることがうかがえる。
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