レポート「マレリ」グループ 埼玉県内サプライヤー状況調査

はじめに

自動車部品大手のマレリホールディングスが、経営再建に向けて私的整理である事業再生ADRを活用する方針が報じられた。同社は今後の具体的なスケジュールや支援について公表していない。同手続きには主に取引金融機関に対し借入金の返済猶予や債権放棄等を求めることによって再建を目指すもので、事業や雇用、商取引（得意先、仕入れ先等）は原則として継続される。そのため、サプライヤーや工場等がある地域への悪影響はひとまずないとみられるものの、正式な申請となれば今後進められる手続きのなかで、事業再生計画案の中にどのような経営改善施策を盛り込んで取引金融機関から合意を得られるかがポイントとなる。

帝国データバンク大宮支店は、企業概要データベースCOMOS2（147万社収録）の中から、「マレリ」グループと直接（ティア1）、間接的（ティア2）に取引がある埼玉県内のサプライヤーを抽出し、業種別、規模別の状況について調査した。

■「マレリ」グループは、マレリホールディングス傘下のマレリおよび同社の国内製造グループ会社。対象はマレリ（株）（埼玉県さいたま市・TDB企業コード：985682005）/東京ラヂエーター製造（株）（神奈川県藤沢市・東証2部・200226621）/マレリ福島（株）（福島県二本松市・180122631）/マレリマシーンワークス（株）（埼玉県吉見町・270498091）/マレリ九州（株）（大分県宇佐市・830264825）
■「マレリ」グループの複数社と取引関係がある企業については1社としてカウント。なお、取引の有無・売上高・所在地は最新の調査データを反映しているが、その後変動している可能性がある。サプライヤーの企業規模については制限を設けていない

調査結果

1. 埼玉県における「マレリ」グループのサプライヤーは1761社判明した。全国では3万7965社あるなか、埼玉県は都道府県別で5位。直接取引（ティア1）企業が75社、間接取引（ティア2）企業が1686社
2. 業種別にみると、最も多いのが「製造業」で965社、構成比54.8％を占めた
3. 売り上げ規模別にみると、最も多いのが「1～10億円未満」で1013社、構成比57.5％を占めた
4. 従業員規模別にみると、最も多いのが「10～100人未満」で950社、構成比53.9％を占めた