レポート

損害保険業界の動向と展望

自然災害の激甚化が続く中、料率改定と事業モデルの転換が進められる

2026/07/31

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

損害保険

2025年度
2026年度

■SUMMARY

損害保険業界は、海上保険を扱うマリン分野と、自動車保険、火災保険、傷害保険、賠償責任保険などを扱うノンマリン分野に大別される。かつてはマリン分野が中心であったが、産業構造や生活環境の変化にともない、現在はノンマリン分野が市場の中心となっている。保険自由化後は合併や経営統合が相次ぎ、大手グループへの集約が進んだ。一方、社会環境の変化を受け、サイバー攻撃やドローンの運用、ペットの医療など、新たなリスクに対応する保険商品の開発も広がっている。

最近では、自動車保険や火災保険の商品・料率改定を背景に、保険料収入は増加基調にある。自動車保険では部品価格や修理工賃の上昇、火災保険では自然災害リスクや再保険料、建物の修繕費の高騰が料率引き上げの要因となっている。火災保険では水災リスクを地域ごとに反映する仕組みが導入されたほか、契約期間の短縮を受けて更新件数の増加が見込まれている。また、代理店の業務品質を共通基準で評価する制度も本格運用されるなど、顧客本位の募集管理や体制整備が進められている。

主な課題は、自然災害の激甚化・頻発化による保険金支払いの増加と、再保険料や各種コストの上昇である。料率改定によって増収が見込まれる一方、支払額は変動が大きくなっており、収益の安定性確保が課題となっている。そのような中損保各社は、政策保有株式の売却で得た資金を成長分野へ振り向けるとともに、異業種との連携やデジタル・AIの活用を進め、保険金を支払う従来型事業から事故や災害を予防するサービスへの転換を進めている。

このレポートでは、損害保険業界の構造と主要な保険分野を概観する。市場動向では、自動車保険・火災保険を中心とする料率改定、業界再編や異業種への出資などについて述べる。業績動向では主要企業の2024年度、2025年度の実績と2026年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 損害保険業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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