レポート東海3県の「日産自動車」グループの取引先企業実態調査

はじめに

11月19 日、東京地検特捜部は実際より少ない役員報酬額を有価証券告書に記載したとして、日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏および同社代表取締役グレッグ・ケリー氏を金融商品引法違反（有価証券報告書の虚偽記載）の疑いで逮捕、日産本社などを捜査した。同日、同本社にて記者会見を実施し、 2人を解任する方針明らかにした。カルロス・ゴーン氏は、 仏ルノー、三菱自動車を含めた世界最大規模の自動車グループを率いる「要」だっただけに、日本のみならず世界に与える影響も大きく、各メディアで大きな問題として報道されている。

帝国データバンク名古屋支店は、企業概要データベース「COSMOS2」（147万社収録）の中から、 日産自動車をはじめ国内主要連結子会社16社と直接取引がある東海3県（愛知、岐阜、三重）の取引先を抽出し、社数 ・従業員数 （非正規社員を除く） 合計、都道府県別、業種別、年商規模別に調査･分析した。

■調査対象は、日産自動車のほか、同社の2017年度･有価証券報告書に記載がある国内連結子会社（日産車体、日産自動車九州、愛知機械工業、ジヤトコ、日産工機、オートモーティブエナジーサプライ、日産グループファイナンス、日産トレーデイング、日産フィナンシャルサービス、オーテツクジャパン、日産ネットワークホールディングス、日産ファイナンス、神奈川日産自動車、日産自動車販売、日産部品中央販売、日産カーレンタルソリューション）の計16社とした

■日産自動車グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、変動している可能性もある

調査結果

1. 日産自動車グループ国内主要企業と直接取引のある東海3県企業（個人経営、各種法人等含む）は297社にのぼることが判明。「愛知県」が256社で全国3位、「岐阜県」が15社で同25位、「三重県」は26社で同17位。全国では3658社で都道府県別で最多は「東京都」の1264社。
2. 業種別に見ると、「自動車部分品製造」が15社（構成比5.1％）でトップ。以下、「労働者派遣業」（13社、同4.4％）、「自動車操縦装置製造」「自動車内燃機関製造」（各11社、同3.7％）と続いた。
3. 年商規模別に見ると、「10億円～50億円未満」が99社（構成比33.3％）で最多。「10億円未満」は97社（同32.7％）だった。