レポート中国地方 『神戸製鋼所』グループの国内主要企業の取引先実態調査

はじめに

東証1部上場の神戸製鋼所が、製品データの不正問題で揺れている。アルミ、銅製品などの関連データの改ざんのほか、連結子会社のコベルコ科研においてもデータ不正が発覚した。主力の鉄鋼製品でも品質をめぐる不正が判明するほか、米国や欧州でも大きく報じられるなど海外にも波及し、“ものづくり大国・日本”のイメージに大きな打撃を与えている。

12日、トップ自らが「神戸製鋼所の信頼度はゼロに落ちた」と言及するとともに、30年以上も前から不正していた事案の可能性を示唆するなど、同社の不正問題は一向に収束の気配が見られない。

そこで、帝国データバンク広島支店では、企業概要データベース「COSMOS2」（147万社）の中から、中国地方に本店を置き、神戸製鋼所グループと取引がある企業（個人経営、各種法人等含む）を抽出し、都道府県別、業種別、年売上高別に調査・分析した。同様の調査は今回が初めて。

■調査対象とした「国内主要企業」は、神戸製鋼所本体のほか、2016年度・有価証券報告書に記載がある国内連結子会社18社および持分法適用関連会社6社とした＜4頁参照＞

■神戸製鋼所グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある

調査結果

1. 中国地方に本社を置き、「神戸製鋼所」グループ国内主要企業（25社）と取引がある企業は477社。神戸製鋼所グループの「仕入先・下請先」は312社、「販売先」は198社。
   県別では、『広島県』が243社で全国5位、『山口県』が122社で12位
2. 業種別、仕入先・下請先では『一般貨物自動車運送』が最も多く、販売先では、『土木工事業』が最多に
3. 年売上高別、『1億～10億円未満』が5割超
4. 従業員数別、『10～100人未満』が62.9％を占める