レポート上場企業(外食産業)の月次売上高動向調査（2020年5月分速報）

はじめに

都内では、6月12日に東京アラートが解除され、休業要請の緩和行程はステップ3に移行。飲食店の営業時間、酒類提供時間が0時まで延長された。さらに19日には全面解禁となり、接待を伴う飲食店などへの休業要請も解除され、形式上は通常営業に戻ることとなったが、売り上げの回復にはまだまだ時間を要すとの見方も強い。

帝国データバンクでは、外食事業を展開している上場企業（または上場グループ中核企業）において、6月19日時点でHPなどにて5月の月次データを開示している59社について、全店実績を集計し、分析した。

■直営店とFC店の合計をリリースしている企業は、直営店とFC店の合計値で集計。直営店のみをリリースしている企業は直営店のみの数値を集計した

■月次売上高の集計方法等は、リリース企業の手法・方針に準ずる

調査結果

1. 集計対象59社のうち、2020年5月の全店実績が前年同月を下回ったのは54社（構成比91.5％）、上回ったのは5社（同8.5％）
2. 緊急事態宣言の期間延長に伴い、多くの企業で長期間にわたる店舗の休業や営業時間の短縮が余儀なくされたが、ファストフード業態は引き続き好調であった
3. 前年同月を下回った企業54社の4月と5月の前年同月比を比較すると、47社（構成比87.0％）で減少幅が縮小し、7社（同13.0％）で拡大となった。地域ごとに緊急事態宣言が解除されたこともあり、順次営業再開した影響などで回復の兆しがみられた
4. 全国で緊急事態宣言が解除され約1カ月となるが、徐々に客足は回復している様子がうかがえる。6月の月次売上高は回復基調となることが予想される