はじめに
長野県内に多数集積する機械系製造業は、海外の動向も含め景気の動きに敏感に反応し、大き く上下動する特徴を持つ。2022年度は、新型コロナウイルスの影響が一進一退で推移。また、半導体や建設資材の不足は続き、人手不足も深刻度を増した。これに伴い原材料費や人件費は上昇、燃料コストも高騰し、企業への逆風は繰り返された。その厳しい環境のなかで、長野県内企業の景気DI(TDB景気動向調査)は、2022年1月から8月まで47都道府県別順位は1位となった。以降、順位を下げたが、前半の景況感は良好であった。
一方、2023年2月に実施した「価格転嫁に関する長野県内企業の実態調査」では、半導体や木材、石油製品などの品薄により調達難となり、価格が高騰。十分とはいえないが県内企業の78.8%で多少なりとも価格転嫁ができているという結果となった。 これらが効を奏し、先般行った「2022年度長野県企業売上高ランキング(全業種・上位100社)」では、100社の総売上高が過去最高となった。
帝国データバンク長野支店では毎年度、県内機械系製造業者を対象とした売上高ランキング(上位50 社)を作成しているが、今回2022年度(2022年4月~2023年3月)に到来した各社の決算期における売上高を対象に最新のランキングを作成した。連結決算を行っている企業も、すべて単体の数字を採用している。なお、機械系製造業とは日本標準産業分類で「機械製造業」「電気機械器具製造業」「輸送用機械器具製造業」「精密機械、医療機械器具製造業」に該当する業種。
調査結果
- 上位50社の総売上高は3兆4259億円、前年度比9.3%増えて過去最高を更新
2022年度長野県機械系製造業売上高ランキングにおける上位50社の総売上高は3兆4259億4800万円。記録が残る2000年度以降で最高額となった。伸び率は9.3%と前年度(20.4%)に比べ鈍化した - 売上高トップはセイコーエプソン、新たに3社がランクイン
売上高トップはセイコーエプソン(株)(諏訪市)。調査開始以来23年連続してトップの座を維持している。ミネベアミツミ(株)(御代田町)、新光電気工業(株)(長野市)、(株)竹内製作所(坂城町)、ニデックインスツルメンツ(株)(下諏訪町)までの上位5社は前年度と変わっていない。前回50位圏外からランクインしたのは3社 - 増収企業38社、減収企業9社、増収が前年度から3社減少
50社のうち、増収となったのは38社、減収が9社(3社は比較せず)。増収企業は前年度の41社から3社減少、減収企業は前年度の6社から3社増加した
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