はじめに
日本百貨店協会が発表した九州・沖縄地区(以下、九州)の百貨店売上高をみると、2022年度(2022年4月~2023年3月)は約4,103億7,364万円と、前年度比10.5%増加した(収益認識に関する会計基準」を非適用)。さかのぼって確認できる2003年度(約6,952億4600万円)に比べて約41.0%も減少した。10年前の2012年度(約5,232億879万円)と比較しても約21.6%減少している。また、九州に本店を置く日本百貨店協会の会員上位10社の売り上げ動向をみると、10社中7社が「収益認識に関する会計基準」を適用したことで前年度比54.2%減の1,512億100万円で、博多阪急を含む合計は同45.7%減の2,017億6,400万円となり、双方とも2年ぶりの減少となった。福岡都市圏や沖縄県内の百貨店では急増するインバウンド需要を取り込み、全体としての減収幅もやや緩やかになっていたものの、2020年に入って以降は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響でインバウンド需要が喪失。営業自粛や営業時間の短縮を余儀なくされた。2021年以降は、徐々にウィズコロナの生活スタイルが浸透し、2022年10月の水際対策緩和以降、円安効果もあって、インバウンド需要が回復、外出機会の増加から、来店客数も回復してきており、百貨店経営業者の動向が注目されている。
そこで帝国データバンク福岡支店では、企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)から九州に本店を置く同協会の会員上位10社を抽出し、最近の売上高(一部推定値を含む)を集計・比較した。九州の百貨店経営業者に関する調査は2021年度調査(2022年9月発表)に続く5回目。
調査結果
- 2022年度の売上高ランキングは、(株)三越伊勢丹ホールディングス傘下の(株)岩田屋三越(福岡市)がトップ。2位は(株)井筒屋(北九州市、東証スタンダード)、3位は(株)鶴屋百貨店(熊本市)
- 2022年度売上高は10社中8社が減収となった。うち7社は、「収益認識に関する会計基準」適用によるもの。上位10社の合計売上高は前年度比54.2%減の1,512億100万円と、2年ぶりに前年度比を下回った

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