はじめに
台湾を本拠地とする半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC社)は11月9日、ソニーグループと共同で熊本県菊陽町に半導体製造の合弁工場を新設すると発表した。九州地方は、半導体に必要となる良質な水が豊富である点、労働力や広い用地の確保が容易である点が評価されて1960年代末から大手メーカーによる半導体工場の設置が増加した。80年代には「半導体クラスター」を形成するに至り、「シリコンアイランド」と呼ばれるようになった。九州の中でも熊本県は、環境省の『名水百選』に全国最多の8カ所が選定され、全国的にも土地の価格が低く、そのシリコンアイランドの中でも牽引役を担っている。熊本にはソニーやルネサスエレクトロニクスなどの半導体工場、製造装置で高いシェアを持つ東京エレクトロンの拠点も立地・集積する中で、TSMC社の日本初となる工場を熊本県に建設することの意義は全国的にも大きい。今後、素材や部材の供給などで熊本を中心としたサプライチェーンの構築が進むとみられ、半導体産業が県内の基幹産業として大きく成長することが期待されている。
そこで、帝国データバンクは、保有する企業データベースを基にTSMC社※およびソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCM社)、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SCS社)の3社を対象に、取引のある国内企業について調査・分析を行った。
■TSMC:台灣積體電路製造股?有限公司(TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING COMPANY LIMITED)。なお、国内法人を含む
■対象は、TSMC社・SCM社・SCS社とそれぞれ取引関係を有する企業。なお、取引品目・数量は問わないものとした
調査結果
- TSMC社を取引先とする企業は69社、SCM社と取引を行う企業は327社、SCS社と取引を行う企業は48社、うち複数先と取引がある企業は17社
- 都道府県別に見ると、「東京都」が121社(構成比28.3%)でトップ。以下、「神奈川県」52社(同12.2%)、「福岡県」39社(同9.1%)、「熊本県」35社(同8.2%)、「長崎県」27社(同6.3%)、「大分県」24社(同5.6%)と続いた
- 年商規模別で見ると、「10~100億円未満」が最も多く143社(構成比33.5%)とトップ
- 従業員数別では「10~100人未満」で192社(構成比45.0%)、「100~1000人未満」で112社(同26.2%)

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