はじめに
2018年は5月に「きらぼし銀行」が発足した一方、一部の地方銀行で利益確保の柱として積極的に進められてきた投資用不動産融資でのトラブルが大きな社会問題となり、金融機関としての資質・姿勢が問われた。引き続き、低金利下における地方銀行、第二地方銀行を中心とする金融再編や各行の地域特性を収益にどう繋げていくかなど金融機関の動向に注目が集まっている。
帝国データバンクは、国内主要111行(大手銀行7行、地方銀行64行、第二地方銀行40行)の2018年9月末(9月中間期)の預金(譲渡性預金含まず)、貸出金、預金利息(支出)、貸出金利息(収入)、利ざやの推移について調査・比較した。
■各数値は各行の2018年9月中間期の決算短信(単体ベース)に記載されている数値を採用
■2018年5月に東京都民銀行(地方銀行)、八千代銀行(第二地方銀行)、新銀行東京が合併し、きらぼし銀行(地方銀行)が発足したため、前回調査(112行)から第二地方銀行が1行減少し、111行の調査となっている。また、数値比較の必要性から、きらぼし銀行の2017年9月期の数値は、同3行の2017年9月末(9月中間期)の数値を合算した数値を参考値として用いた
■大手銀行7行は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行
調査結果
- 2018年9月末の国内主要111行の預金は753兆9763億2600万円となり、2017年9月末比で26兆4861億8100万円増加(3.6%増)。大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の3業態すべてで増加し、大手銀行(19兆6437億2300万円増、4.9%増)の増加が目立った
- 2018年9月末の国内主要111行の貸出金は531兆5768億1200万円となり、2017年9月末比で23兆1368億1900万円増加(4.6%増)。3業態すべてで増加した
- 預金者に対して支払った預金利息は、2018年9月中間期(2018年4月~9月)で6516億1400万円となり、2017年9月中間期(2017年4月~9月)比で2071億500万円増加(46.6%増)。大手銀行(54.2%増)、地方銀行(7.0%増)で増加した一方、第二地方銀行(15.8%減)で減少した
- 融資先から受け取った貸出金利息は、2018年9月中間期で3兆5788億200万円となり、2017年9月中間期比で3490億7800万円増加(10.8%増)。第二地方銀行のみ減少した
- 2018年9月中間期の利ざや(貸出金利息-預金利息)は、2兆9271億8800万円となり、2017年9月中間期比で1419億7300万円増加(5.1%増)。大手銀行のみ増加した
- 地方銀行と第二地方銀行を対象とした地域別(本店所在地別)動向では、9地域すべてで預金、貸出金ともに増加。預金は「北海道」、貸出金は「九州」の増加率が最も高かった
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