はじめに
物価高で強まる節約志向を背景に値ごろ感のある生活必需品や日用雑貨の売り上げが伸び、100円ショップは1兆円市場に到達した。今後も、豊富なラインナップと商品力を源泉とする集客力の高さと、手に取りやすい「エントリーモデル」としての立ち位置を強みとしながら、多様な顧客層の取り込みによる売り上げの拡大が期待できよう。
他方、足元で急激に進む円安の影響により、利益面では「100円」価格の維持が一層難しくなっている。100円ショップで取り扱う商品の多くが海外生産品であり、円安により輸入コストや原材料コストが増加し、一部商品では採算が悪化したケースや、コストダウンが限界に達し従来仕様での生産が困難となるケースもみられる。こうした課題に対応するため、各社とも利益確保を目指して高機能化など付加価値を高めた300~500円の商品ラインナップを拡充するものの、一方でこれまで100円を支持してきた顧客層には中高価格帯商品の訴求が難しいなど課題が残る。100円商品を軸とした業態展開を今後も堅持するのか、300円以上の商品価格帯を拡充する「脱・100円」を広げるのか、難しい判断を求められる局面が想定される。
調査結果
- 急激な円安、「100円ビジネス」に試練 100円の維持か脱・100円か難しい判断迫られる
- 「100円ショップ」市場、初の1兆円突破 「節約志向」取り込み成長
- 「300円ショップ」店舗数、5年間で約2.8倍に増加 プチプラ価格帯で支持集める
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