レポート近畿地区「新電力会社」の経営実態調査

参入企業増加で競争加速 ~電力価格高騰で資金繰り悪化懸念~

2021/06/01
エネルギー

はじめに

2016年4月1日から始まった電力小売りの全面自由化。事業を行う上で登録が義務化されている「登録小売電気事業者」も年々数を増やしている。プレイヤーの増加で業界内の競争が激しさを増すが、昨年末から1月にかけての電力卸売価格高騰の影響を受け、一時は業界最大手だった(株)F-Powerが会社更生法の適用申請を余儀なくされるなど、競争から脱落する企業も出た。多額のインバランス料金について今後支払いを求められる事業者は、資金繰りの悪化が懸念されている。

帝国データバンク大阪支社は、経済産業省・資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者」に登録された企業のうち、みなし小売電気事業者(旧:一般電気事業者)を除く「新電力会社」706社(2021年4月7日時点)について、企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)などを基に、都道府県別、設立時期、主力事業別、売上規模別等に集計・分析した。

調査結果

  1. 「新電力会社」は近畿に92社で、2018年(68社)に比べ24社(35.3%)増加。本社所在地を都道府県別に見ると、「大阪府」(54社、構成比7.6%)で全国2位
  2. 設立時期を見ると、2011年以降に設立した企業が43社(構成比46.7%)と全体の5割弱を占め、年別では2015年(12社、同13.0%)が最多となっている
  3. 主力事業別では、電気事業所を含む「その他」(26社、構成比28.3%)が最多。「サービス業」(12社、同13.0%)、「卸売業」(10社、同10.9%)が続いた
  4. 売上規模別では、「10億円以上100億円未満」(19社、構成比20.7%)が最多。「電気事業所」は4社に1社が2期連続で増収
  5. 電力卸売価格高騰を受け、3社に1社が「支払い猶予措置」を利用
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