レポート

リース業界の動向と展望

2025/08/29

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

リース

2024年度
2025年度

■SUMMARY

リース業界は、製造業、物流・運輸業、医療・ヘルスケア、建設業、IT・通信業、自動車業など幅広い分野に対して資産のリースサービスを提供することで、企業の設備投資を支援している。

リース契約は初期費用を抑えた柔軟な資産利用を可能にし、特に中小企業や新興企業において財務効率化の手段として活用されている。近年、環境対応型設備やデジタル化関連機器のリース需要が増加しており、持続可能性や効率性を備えたサービスが求められている。国内市場は成熟化が進む一方で、海外市場の開拓が成長の鍵となっている。

市場動向を見ると、2023年度は経済活動の正常化に伴う設備投資の回復を受け、リース取扱高が増加した。2024年度には情報通信機器や輸送用機器が市場をけん引し、リース取扱高は5兆円台に達した。2025年度の展望では、設備投資の増加基調が続く中で、デジタル化やDX推進による情報投資の拡大がリース需要を支えるとみられる。ただし、地政学リスクやインフレ、金利上昇などの外部環境が市場に不透明感をもたらしている。

こうした中で、リース業界は複数の課題に直面している。2027年4月から適用となるリース会計基準の変更によるオンバランス処理の影響や金利上昇によるリース料金の増加が、企業の契約意欲に影響を与える可能性がある。また、カーボンニュートラルやESG対応が求められる中で、環境負荷を低減するリース商品やサービスの開発が急務となっている。さらに、リース満了後の資産の循環利用やリユース・リサイクルの仕組み構築は、業界の持続可能性を確保する重要な要素である。

このレポートでは、市場規模では、統計に基づき2022年度から2024年度までの機種別および企業規模別のリース取扱高の推移を示し、業績動向では主要企業の2023年度および2024年度の実績と2025度の収益予測について触れる。さらに、業界の将来を見据えた戦略的投資や海外市場展開にも焦点を当てる。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • リース業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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