レポート

紙・パルプ業界の動向と展望

需要減退と新領域拡大のはざまで構造転換が迫られる

2026/03/31

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

洋紙・板紙製造

2024年度
2025年度

洋紙代理店、紙卸商

2024年度
2025年度

段ボール製造

2024年度
2025年度

■SUMMARY

紙・パルプ業界は、木材パルプや古紙を原料に、新聞用紙や印刷・情報用紙、板紙、包装資材、衛生用紙などを生産・供給する基幹素材産業である。生活や産業活動を支えるインフラ的役割を担う一方、古紙を活用した高度なリサイクルシステムを有する点も特徴である。製造には大規模設備が不可欠であり、投資負担が大きい装置産業として参入障壁が高く、市場構造は徐々に寡占化が進んできた。

近年はデジタル化やペーパーレス化の進行、人口減少などを背景に、紙媒体の需要が構造的に縮小している。とくに新聞用紙や印刷・情報用紙の需要減少が続いており、生産設備の統廃合や再編が進展している。一方で、EC(電子商取引)の拡大を背景とした包装分野や衛生用紙などは比較的底堅く推移している。そのような中、企業は収益構造の多角化に向けて、海外展開やバイオマス関連事業、再生可能エネルギー分野への進出を加速させており、事業ポートフォリオの転換が進んでいる。

主な課題としては、需要減少にともなう過剰設備問題、原材料やエネルギーコストの高騰、為替変動の影響などが挙げられる。また、価格転嫁の遅れによる収益圧迫や、物流費の上昇、人手不足といった構造的な負担も大きい。加えて、脱炭素化対応としての設備投資や燃料転換が不可避であり、企業にとって資本負担の増加要因となる。脱プラスチックの潮流や新素材開発などは成長機会となり得るが、安定した収益源として確立するには時間を要する。

このレポートでは、紙・パルプ業界の構造と需要動向、事業再編や多角化の進展、環境対応や新規事業の動向について述べる。市場動向では紙・板紙需要の変化や分野別の動き、バイオマスや新素材など成長領域の取り組みを整理する。業績動向では主要企業の2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 洋紙、板紙製造業の業績動向
  • 洋紙代理店、紙卸商の業績動向
  • 段ボール製造業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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