レポート東京電力グループの取引先企業に関する実態調査

東京電力、主要取引先は収益改善傾向~中堅・中小企業が事故後の緊急対応、安全対策の担い手に~

2013/06/20
サプライチェーン  エネルギー

はじめに

東京電力・福島第一原発の事故から2年以上が経過した。この間、風力、太陽光発電など新エネルギー関連ビジネスの盛り上がりはあったが、電力不足、さらには原発安全対策に対する懸念も改めて浮上、大きな問題となっている
帝国データバンクは、企業概要データベース「COSMOS2」(143万社)などを用いて、東京電力グループと直接取引があり、同グループを主要取引先とする国内企業を抽出し、業種別、都道府県別、年売上高別に調査・分析した。
なお、東京電力グループの取引先企業に関する調査は、2011年5月12日、2012年6月28日に次いで3回目。

◇ 東京電力グループとは、本体企業を含め、2011年度・有価証券報告書に記載のある国内連結子会社および持ち分法適用関連会社と定義した
◇ 「主要」取引先とは、当該企業の認識に基づくもので、売上高比率などの一定の基準はない
◇ 東電グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした
◇ 取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある

調査結果(要旨)

1. 東京電力グループと直接取引を有し、かつ主要取引先としている国内企業は、2013年5月末時点で4687社。昨年6月の前回調査時(4618社)に比べて1.5%増(69件増)となった。微増ではあるが、2011年5月の4360社から一貫して増加傾向が続いている。
2. 業種別(大分類)を見ると、「建設業」が1577社を占め、構成比33.6%に達した。増加率は「不動産業」が18.2%でトップ。業種別(細分類)では、「一般電気工事業」が374社、構成比8.0%を占め、「産業廃棄物収集運搬業」の増加率が20.0%に達した。
3. 売上規模別では「1億円以上10億円未満」がもっとも多く、構成比45.8%。資本金額規模別でも「1億円未満」までで全体の78%を占める。
4. 損益状況が明らかな企業のうち、「黒字」が3134社と前年度の2877社から8.9%増加、「赤字」は668社と前年度の708社から5.6%の減少となった。収益改善傾向が明確になっている。

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

株式会社帝国データバンク 情報統括部 TEL:03-5919-9343  E-mail: tdb_jyoho@mail.tdb.co.jp