レポート「青森銀行・みちのく銀行」取引企業調査

はじめに

5月14日、青森銀行とみちのく銀行は、持株会社設立による経営統合に向けて協議・検討を進めることについて基本合意した。地方銀行の統合に関して独占禁止法を適用しない特例法の適用第1号事案となる見込み。流れとしては、2022年4月1日を目処に持株会社を設立、両行がその傘下となり、その2年後の2024年4月を目処に両行が合併を行うことが基本路線となる。これが実現すれば、連結ベースの総資産が約6兆円に達し、東北では屈指の規模となるほか、本県においても貸出シェア、メインバンク比率ともに7割を上回る大型地方銀行が誕生することとなる。

帝国データバンク青森支店では、企業概要データベース「COSMOS2」（約147万社収録、2021年3月時点）から、青森銀行及びみちのく銀行と取引関係にある（メイン、サブ含む）企業を抽出、業種、所在地、規模などを分析した。

なお、調査対象は全業種全法人で、個人経営も含む。

■本調査は「COSMOS2」に収録されている企業のデータであるため、各金融機関が取引している実数とは異なる

調査結果

1. 2行と取引のある企業は、青森県内で1万4,741社（青森銀行：1万888社、みちのく銀行：8,212社）。全国では、1万7,279社（青森銀行：1万1,658社、みちのく銀行：1万87社）
2. 青森銀行とみちのく銀行の両行取引があるのは青森県内では4,359社。青森銀行のみ取引がある先が6,529社、みちのく銀行のみが3,853社
3. 企業の業種を見ると、両行ともに「建設業」がトップで、「サービス業」がこれに続き、業種別で両行の取引先に大きな偏りはみられない
4. 所在地別でみると、北海道、岩手、秋田、東京所在の企業との取引は、みちのく銀行が青森銀行を上回る