レポート九州・沖縄地区における遊園地・動植物園・水族館の経営実態調査(2019年決算)
収入高合計は前年比4.7%の減少 ~ SNSの活用などで増収、減収の明暗が分かれる ~
はじめに
2019年の訪日外客数は約3188万2100人で過去最多を更新(日本政府観光局〈JNTO〉)。2018年度の遊園地・テーマパークの入場者数は約7946万人と前年比微増にとどまったが、増加基調にあり(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)、令和最初の行楽シーズンは好調であった。
しかし、令和2年目の夏は新型コロナウイルスの影響により、遊園地・動植物園・水族館を運営する企業にとって厳しい年となる。既に、緊急事態宣言の発出時には、休園や営業時間短縮などで影響を受けており、特に、九州においては訪日外国人観光客に対して依存していただけに2020年は通期を通して減収になることが見込まれる。長期化する新型コロナウイルスが企業に影響を及ばしているかを比較するうえで今回のランキングはひとつの指標となるだろう。
帝国データバンク福岡支店は、2020年7月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)および公開情報から、遊園地・動植物園・水族館経営企業のうち2017年~2019年(1月期~12月期決算)の3期連続で収入高が判明した九州・沖縄地区(以下、九州)の29社を抽出して分析した。九州における遊園地・動植物園・水族館経営企業に関する調査は今回が初めて。
■「遊園地・動植物園・水族館経営企業」とは、原則として収入高のうち、遊園地・テーマパークおよび動物園・植物園・水族館経営による収入が最も大きい企業
■業績は単体数値で推定値も含む。損益は当期純損益
■対象期間中(2017年~2019年)に決算月変更を行った企業は集計対象から除いた
調査結果
- 九州における2019年の収入高ランキングは1位がハウステンボス(株)、2位が一般財団法人沖縄美ら島財団、3位がグリーンランドリゾート(株)となった
- 2019年の決算における29社の収入高合計は前年比4.7%減の584億7100万円。うち、増収企業は8社で全体の27.6%
- 29社のうち、2018・2019年の2期連続で損益が判明した15社をみると、2019年において2期連続の黒字企業は10社で全体の66.7%。一方で2期連続の赤字企業は1社(構成比6.7%)
- 29社を収入高規模別にみると、「1億~10億円未満」が12社と最も社数が多かった。「10億~50億円未満」の企業で去年より増収企業が減少した

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