レポート第2回「ルネサスエレクトロニクス」グループの取引先実態調査
工場売却・閉鎖予定の9道県に4700社直接、間接含め、全国4万社超の取引先に影響の可能性
はじめに
経営再建中のルネサスエレクトロニクス(東証1部)は7月3日、「強靭な収益構造の構築に向けた諸施策の方向性について」を発表した。この中で、国内生産拠点の半減を打ち出しており、10以上の工場売却・閉鎖を検討するとしている。今回の大規模な経営再建策が、同社グループと直接取引がある企業はもちろん、その取引先の取引先(二次取引先)に与える影響は小さくない。
帝国データバンクは、「COSMOS2」(142万社)などの企業情報データベースを活用し、新たな産業調査分析手法として開発した「SPECIA(スペシア)」を用いて、ルネサスエレクトロニクスグループの二次取引先を抽出し、直接取引先とともに業種別、都道府県別、年売上高別に調査・分析した。同様の調査は2012年6月14日に続いて2回目となる。
◇ ルネサスエレクトロニクスグループとは、ルネサス本体を含め、同社の2010年度・有価証券報告書記載の国内連結子会社および持ち分法適用関連会社の計26社
◇ 取引先とは、当該企業の認識に基づくもので、売上高比率などの一定の基準はない
◇ ルネサスグループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした
◇ 取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある
調査結果
1. ルネサスエレクトロニクスグループ26社と取引関係がある国内企業を調べたところ、直接取引先が997社、この直接取引先の取引先(二次取引先)が4万711社を数え、直接、間接を含めた取引先数は計4万1708社にのぼることが分かった
2. 今回発表された「国内生産拠点の再編」および「人的合理化策」によって、直接、間接的に全国4万を超えるこれらの取引先や地域経済全体に対して、今後少なからず影響を及ぼす可能性がある
3. 国内生産拠点の再編計画で、売却・閉鎖(一部ラインの閉鎖含む)が検討されている工場等のある9道県合計の取引先数は4709社を数えた。各県別では、函館工場のある「北海道」が1315社で最も多く、以下、鶴岡工場の「山形県」(703社)、高崎事業所の「群馬県」(570社)、柳井工場と山口工場の「山口県」(434社)、熊本工場の熊本県(416社)が続いた

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