レポート

四国地区 主要8行の預金・貸出金等実態調査(2020年9月中間期)

貸出金残高17兆1,761億円、増加率トップは徳島大正銀行 ~ 利ざやは8行中4行で減少 ~

2021/01/14

はじめに

新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済停滞の緩衝材として、金融機関が存在感を示している。なかでも、制度融資やリスケジュール対応など、銀行の柔軟な対応による事業者の倒産回避の功績は大きい。一方、SBIグループの“第4のメガバンク構想”による資本業務提携など地銀再編の動きがあるなかで、地方銀行の先行きを不安視する声も少なくないのが現状だ。

そこで、帝国データバンク高松支店は、四国4県に本店が所在する地銀8行(阿波、伊予、四国、百十四、愛媛、香川、高知、徳島大正)の2020年9月末および2019年9月末の預金、貸出金の残高、2020年9月中間期(2020年4月~2020年9月)および2019年9月中間期(2019年4月~2019年9月)の預金利息(支出)、貸出金利息(収入)の推移について調査・分析した。

■各数値は各行の決算短信(単体ベース)に記載されている数値(単位:百万円)を採用

■徳島大正銀行は、2020年1月1日に徳島銀行と大正銀行が合併して発足したため、2019年9月末の数値は両行の合算値を計上している

調査結果

  1. 預金残高、8行すべてで増加、増加率トップは高知銀行
    四国4県に本店を置く主要8行合計の2020年9月末の預金残高は22兆6,231億2,300万円で、2019年9月末より1兆3,759億2,700万円増加(6.5%増)。全国(109行、9.7%増)との比較では3.2ポイント下回る。増加率トップは高知銀行(12.3%増)
  2. 貸出金残高、8行すべてで増加、増加率トップは徳島大正銀行
    主要8行の貸出金残高は17兆1,761億3,500万円となり、2019年9月末比で8,279億8,400万円増加(5.1%増)。全国(109行、5.7%増)との比較では0.6ポイント下回る。増加率トップは徳島大正銀行(6.4%増)
  3. 利ざや、8行中4行で減少、増加率トップは阿波銀行
    主要8行の収支「貸出金利息(収入)-預金利息(支出)の差額=本業利ざや」は、935億4,900万円となり、2019年9月中間期比で15億100万円減少(1.6%減)。全国(109行、3.6%減)との比較では2.0ポイント上回る。増加率トップは阿波銀行(2.0%増)
  4. 全国地域別(地方銀行、第二地方銀行の計102行が対象)、預金・貸出金ともに9地域すべてで増加
    増加率は、預金・貸出金ともに「北海道」がトップ。利ざやが増加したのが「北海道」のみで、「東北」が横ばい、その他6地域が減少した
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 高松支店 TEL:087-851-1571 FAX:087-851-3837