レポート

木材・製材品業界の動向と展望

2025/08/29

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

木材・製材品

2024年度
2025年度

SUMMARY

木材・製材品業界は、戸建住宅など木造建築の着工動向に大きく左右される産業である。製材工場数は年々減少傾向にあり、再編・統合による大型工場への集約が進んでいる。中長期的には、少子高齢化や若年層の木造住宅離れにより住宅需要が減少し、市場の縮小が予測される。こうした状況を受け、業界では非住宅分野への木材利用拡大や、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応住宅への取り組み、海外事業の強化など、新たな成長領域へのシフトが進められている。

業界が直面する課題としては、新築住宅市場の低迷に加え、資材価格や人件費の高騰による建設コストの上昇が挙げられる。特に戸建住宅の着工減少が製材品出荷量や合板生産量に影響を与えており、業績にも波及している。一方で、脱炭素社会の実現に向けた動きが加速する中、物流施設や商業施設など非住宅分野での木材需要が高まっており、官民連携による木材利用の促進が進んでいる。改正建築物省エネ法の全面施行により、省エネ基準への適合が義務化されたことも、木材利用拡大の追い風となっている。

市場動向を見ると、2023年・2024年は新設住宅着工戸数の減少に伴い、製材品出荷量・合板生産量ともに減少が続いた。2025年は住宅市場の低迷が継続する一方で、非住宅建築物の着工床面積が増加しており、製材品・合板の需要をけん引するとみられる。

このレポートでは、木材・製材品業界の市場構造や住宅・非住宅分野における需要動向、環境対応の取り組みについて解説する。また、2023年度から2025年度までの製材品出荷量・合板生産量の推移と業績動向を整理し、今後の展望を示す。さらに、脱炭素社会に向けた木材利用の拡大、改正法の影響、非住宅分野での新技術導入など、注目すべきトピックスについても取り上げる。

CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 一般製材業、合板製造業、木材卸売業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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