レポート

中古自動車業界の動向と展望

2025/09/30

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

中古自動車

2024年度
2025年度

■SUMMARY

中古自動車販売業界は、買取、オートオークション(AA)、小売の三つの業態で構成される。買取業者が個人やディーラーから車を買い取り、AAを通じて業者間で取引した後、小売店が消費者に販売する仕組みである。最近では、買取と販売を一体化した業者や、新車ディーラーが下取り車を自社流通で販売するケース、個人間売買の仲介事業に参入するなど、業態を超えた動きも見られる。中古車市場は新車販売の動向に大きく依存し、消費者が新車購入時に下取りや売却を行うことで市場に流入する。日本の中古車は品質や耐久性が高く評価され、特にアジアやアフリカの新興国で需要が旺盛であり、輸出が活発である。

中古自動車販売業界の主な課題は、信頼性と市場環境である。業界全体に不信感をもたらす不正行為や事故歴の隠蔽が問題視されており、日本自動車公正取引協議会は価格の透明化と消費者保護を強化している。また、人口減少や若者の車離れ、カーシェアリングの普及など、車の所有意識の希薄化が進行している。今後は、不正撲滅と信頼回復を軸に、デジタル活用や新サービスを通じて「所有から利用へ」と変化する時代に対応することが求められている。

市場動向を見ると、2023年の中古車登録・届け出台数は新車生産の回復と下取り車両の増加により前年比増となった。2024年も物価高による中古車需要の高まりと輸出の好調が後押しし、増加傾向が続いた。2025年の市場展望では、国内市場は軟調であるが、輸出は過去最高ペースで推移すると見通す。良質な日本中古車への海外需要が高く、特に中東地域での需要が伸びていると見られる。

このレポートでは、中古自動車販売業界の最新動向や市場展望、業績動向について解説する。また、業界が直面している信頼性の確保やデジタル化の進展、国際市場への対応などの課題についても述べる。市場動向については、2023年度から2025年度までの中古車登録・届け出台数と伸び率を解説し、企業の業績動向では2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 中古自動車販売業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
  • 関連コンテンツ
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