レポート「神戸製鋼所」グループの栃木県内取引企業実態調査

はじめに

神戸製鋼所が、大きく揺れている。不正問題はアルミ、銅製品などの関連データの改ざんにとどまらず鉄鋼製品でも発覚、多くの企業がその影響を受けることとなった。米国でも大きく報じられるなか、今後の動向によっては「第二のタカタ」となる懸念もあながち否定できない状況であろう。何より、“ものづくり大国・日本”のイメージに大打撃を与えた事実も否めない。

日を追うごとに、状況は悪化の一途を辿っており、新たな不正事案の可能性もささやかれるなど、同社の不正問題は一向に収束の気配が見られない。

帝国データバンク宇都宮支店は、企業概要データベース「COSMOS2」（県内企業約2万2000社収録）の中から、神戸製鋼所グループと取引がある県内企業（個人経営、各種法人等含む）を抽出し、市町別、業種別、年売上高別に調査・分析した。同社グループを取り上げるのは今回が初めて。

■調査対象とした「国内主要企業」は、神戸製鋼所本体のほか、2016年度・有価証券報告書に記載がある国内連結子会社18社および持分法適用関連会社6社とした＜4頁参照＞

■神戸製鋼所グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある

調査結果

1. 「神戸製鋼所」グループ国内主要企業と取引のある栃木県内企業（個人経営、各種法人等含む）は77社にのぼることが判明。神戸製鋼所グループの仕入先・下請先が51社、同グループの販売先が33社を数えた。なお、仕入、販売双方に関わる企業は7社。
2. 市町別に見ると、「宇都宮市」（21社）がトップ。続いて、神戸製鋼所の事業所がある「真岡市」（20社）、「栃木市」（4社）の順で、上位2市で過半数という分布であった。
3. 業種別に見ると、仕入先・下請先企業では「製造業」がトップで17社。販売先企業では、「建設業」が12社で最も多かった。
4. 年売上高別に見ると、全体の72.7％（56社）が「10億円未満」の中小企業である。