レポート

眼鏡業界の動向と展望

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

眼鏡

2024年度
2025年度

■SUMMARY

眼鏡・コンタクト業界は、視覚矯正を中心に、ファッションやスポーツ用途など多様なニーズに対応する製品を製造・販売する産業である。眼鏡業界では、低価格チェーンの台頭により価格競争が進む一方で、花粉症対策や眼精疲労対策、遠近両用など新たな需要の創出が進んでいる。コンタクト業界では、使い捨てタイプやカラーコンタクトなどの製品が拡充され、眼科との連携や定期購入サービスの普及により、利便性と信頼性の向上が図られている。両業界ともに、オンライン販売チャネルの確立や高付加価値商品の展開により、幅広い層へのアプローチが進んでいる。

業界が抱える課題としては、価格競争による収益性の低下や、生活必需品の値上げによる消費者の節約志向が挙げられる。そのため、眼鏡業界では技術力の差別化を目的に、国家検定資格「眼鏡作製技能士」が導入され、専門性の高い人材育成が進められている。また、コンタクト業界では、素材や装用感、安全性の向上が求められており、製品の品質向上と供給体制の強化が加速している。

市場動向を見ると、2023年度は眼鏡の支出金額が減少した一方で、コンタクトは堅調に推移した。2024年度は眼鏡価格の上昇により支出金額が増加したが、コンタクトは価格競争による単価下落の影響で減少した。2025年度は両分野とも支出金額が増加傾向にあり、特に眼鏡は原材料高や円安による価格上昇が影響している。高齢化やデジタル機器の使用増加に伴う視力低下の進行により、今後も一定の需要が見込まれるが、消費者の可処分所得の低下が市場成長の制約要因となる可能性がある。

このレポートでは、眼鏡・コンタクト業界の市場規模や成長動向、支出金額の推移、製品別の需要傾向、企業の業績動向について解説する。また、業界が直面する課題として、価格競争、消費者の節約志向、専門人材の育成などについても取り上げる。市場動向は2023年度から2025年度までの支出金額や出荷額の推移を中心に、業績動向は各年度の収益傾向と今後の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 眼鏡・コンタクト製造・販売業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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