はじめに
賃貸アパート大手のレオパレス21(東証1部)の2020年3月期の連結最終損失は約802億円で2期連続の赤字となった。同社の一部施工物件において、界壁の施工不備、界壁内部充填剤の相違、外壁構成における大臣認定との不適合および天井部施工不備が発覚後、再発防止策を策定し優先物件については2020年6月末、それ以外のシリーズについては同年12月末までの改修工事完了を目指すとしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、緊急事態宣言が解除されるまでの期間、改修工事が中断され、進捗が滞ることとなった。
帝国データバンクは、企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)のなかから、レオパレス21グループと直接、間接的に取引がある下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、都道府県別、業種別、年商規模別に集計・分析した。
レオパレス21グループの下請企業実態に関する調査は、2019年6月に次いで3回目。
■調査対象は、レオパレス21本体のほか、同社の2018年度・有価証券報告書に記載がある連結子会社で、建築請負事業を手がける、(株)もりぞう(東京都中野区)の計2社とした
■抽出条件は、建設、製造、卸売、サービスの4業種<食品、繊維などレオパレス21グループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の事業者(個人含む)を「下請先」とした
■レオパレス21グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした
■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、調査後に変動している可能性もある
調査結果
- レオパレス21グループの下請企業は全国で4471社(一次下請先516社、二次下請先3955社)あることが判明。これら一次下請先、二次下請先の総従業員数は22万2358人
- 都道府県別に見ると、「東京都」が739社(構成比16.5%)で最多。以下、「埼玉県」(368社、同8.2%)、「大阪府」(342社、同7.6%)の順
- 業種別に見ると、一次下請先では「建築工事業」が60社(構成比11.6%)で最多。二次下請先では「土木工事業」が199社(同5.0%)でトップ
- 年商規模別に見ると、「1億~10億円未満」が最も多く、一次下請先、二次下請先の合計は2415社(構成比54.0%)。全体の約7割が年商10億円に満たない中小企業

Contact Usお問い合わせ先
担当部署
お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 東京支社 情報統括部 TEL:03-5919-9341 FAX:03-5919-9348