レポート消費者金融業界の動向と展望

2024/11/29
金融

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■消費者金融業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

登録貸金業者数は1,500社台で推移。減少傾向の中、大手寡占度高まる

消費者金融業は、個人を対象とした小口融資サービスを主に行う。審査時間が短く、無担保で個人融資を受けられることが特徴で、緊急でお金が必要なときなどに重宝される。ただし、銀行カードローンに比べて貸出金利が高いのが一般的となる。

消費者金融業は、バブル崩壊後に急成長を遂げたものの、返済しきれないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が深刻な社会問題となったことを背景に、2006年に貸金業法が抜本的に改正され、2010年に完全施行された。 貸出総額上限を年収の3分の1までとする「総量規制」や、金利の上限を年20%までとする「上限金利の引下げ」が導入されたことで業界の健全化が進んだが、一方で貸付残高の減少や利息返還請求の増加により、消費者金融業者の収益は減少し、市場の二極化が進んだ。

消費者金融を含む登録貸金業者数は2024年8月末時点で1,501社と、2021年10月以降、1,500台で推移している。ピーク時(1986年、4万7,504社)の30分の1にまで減少しており、大手による市場寡占度が高まっている。

貸出のほか、審査・保証業務も手がける

消費者金融業者は、個人や事業者向けにお金を貸し出す業務に加えて、銀行カードローンの審査や保証業務も手がけている。消費者金融業者は、個人の信用情報や返済能力を評価する専門的なノウハウを持っているため、銀行が持つ知識や経験と相まって、より精緻な審査を行うことができる。

例えば、三菱UFJ銀行 のカードローンは、消費者金融業者のアコムが審査を行っており、みずほ銀行 の場合は、オリエントコーポレーションとアイフルが審査を担当。

このように、消費者金融業者は銀行カードローンに対する競争相手である一方で、保証会社としての役割を果たすことで、新しい収益源を確保でき、収益の安定化を図ることができる。

銀行側は、消費者金融業者を保証会社として利用することで、消費者金融業者の専門的な審査能力を活用することで、貸倒リスクを分散し、より安全に融資を行うことできる。また、通常の銀行融資では難しい顧客層に対して融資を提供できるようになり、顧客の選択肢が広がるなどのメリットがある。

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

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