レポート焼酎メーカー売上高ランキング(2021年)

上位50社の売上高合計、2005年以降の最低を記録 ~ 霧島酒造が10年連続でトップ ~

2022/08/25
食品

はじめに

国税庁が発表した2020年度の国内酒類消費量は、約782万7600キロリットルで、前年度比3.7%減少した。減少するのは5年連続で800万キロリットルを割り込んだ。酒離れや消費者嗜好の多様化等により厳しい状況に立たされるなか、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響で外食産業向けの販売が激減し、酒類業界全体が打撃を受けている。そんななか、リキュール(前年度比6.7%増)やスピリッツ(同15.4%増)、甘味果実酒(同8.3%増)は、缶チューハイや缶カクテルなどのRTD(Ready To Drink)飲料市場の拡大やコロナ禍による”巣ごもり需要”もあって、それぞれ消費量や伸び率は増加傾向にある。

一方、焼酎消費量は前年度比4.1%減の約72万4900キロリットルで、さかのぼって確認できる2007年度(100万4700キロリットル)以降、3年連続で80万キロリットルを割り込んだ。焼酎市場が年々減少傾向で推移しているなか、消費者のニーズにマッチした商品の開発等が今後の重要なポイントとなろう。

帝国データバンク福岡支店では、売上高に占める焼酎・泡盛の割合が5割以上となった酒類製造業者(焼酎・泡盛以外の事業で計上した売上高も含む)を『焼酎メーカー』と定義。企業概要ファイル「COSMOS2」(約147万社収録)より、全国の焼酎メーカーの2021年(1月期~12月期)売上高をランキング形式により抽出し、上位50社の売上高や利益動向などについて集計した。なお、本調査は2021年8月に続く19回目。

調査結果

  1. 2021年の売上高ランキングは、「黒霧島」で知られる霧島酒造(株)(宮崎県都城市)が10年連続でトップ。2位は、「いいちこ」ブランドを主力とする三和酒類(株)(大分県宇佐市)。3位にはオエノンホールディングス(株)(東京都墨田区)を持株会社とする「オエノングループ」の焼酎事業が入った
  2. 上位50社の売上高合計は2793億4600万円と、前年比4.0%減少した。なお、「オエノングループ」の売上高を除外し51位の売上高を加算して計算した調整後の売上高合計は前年比4.2%減の2414億9700万円と、比較可能な2005年以降では過去最低を記録した
  3. 上位50社のうち「減収」企業は39社と、2003年の調査以降、最も多かった。売上高規模別にみると、巣ごもり需要分をカバーできず、全ての規模で減収が上回った
  4. 税引き後当期純利益が判明した38社のうち、「黒字」企業は35社
  5. 都道府県別にみると、社数は「鹿児島県」が22社、売上高合計は「宮崎県」が808億2000万円で、それぞれトップとなった
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