はじめに
三菱自動車工業は5月9日、2017年3月期決算を発表。それによると、連結売上高は前期比15.9%減の1兆9066億3200万円、経常利益は同93.7%減の89億4400万円、当期純利益は1985億2400万円の赤字に転落した。2016年4月に公表した燃費試験データの不正操作問題に伴い売上高が減少、営業費用や特別損失が増加したことによるものだ。そうしたなかで、同社グループから直接、間接的に仕事を得ている栃木県内企業にとっては、様々な影響が懸念される。
帝国データバンク宇都宮支店は、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)の中から、三菱自動車工業グループと直接、間接的に取引がある県内の下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、社数・従業員数(非正規社員を除く)合計、業種別、年商規模別に調査・分析した。三菱自動車工業グループの下請企業実態に関する調査は、2016年6月に続き2回目。
■調査対象は、三菱自動車工業のほか、同社の2015年度・有価証券報告書に記載がある連結子会社で、自動車および自動車部品の製造・開発を手がける子会社3社(パジェロ製造、三菱自動車エンジニアリング、水菱プラスチック)の計4社とした
■抽出条件は、製造業、卸売業、サービス業の3業種<食品・繊維など三菱自動車工業グループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の企業(個人含む)を「下請先」とした
■三菱自動車工業グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした
■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、変動している可能性もある
調査結果
- 栃木県内における三菱自動車工業グループの下請企業は110社あることが判明。前回調査から16社増加した。一次下請先、二次下請先の総従業員数は4445人で、818人増加した。
- 都道府県別順位では15位に位置付けられ、ものづくり県として相応の影響が懸念される。ちなみにトップは「愛知県」が1493社(構成比17.8%)である。
- 一次下請、二次下請合計を業種別に見ると、「金属プレス製品製造」16社(構成比14.5%)と最も多かった。次いで、「金型・同部品等製造」11社(同10.0%)が続いた。
- 年商規模別に見ると、一次下請では「10億~50億円未満」が3社と中堅企業中心であり、二次下請では「1億~10億円未満」が64社と、こちらは小規模企業が多いことがわかった。

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