レポート

プラスチック業界の動向と展望

環境規制と技術革新が加速させるプラスチック産業の構造転換

2025/12/29

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

プラスチック

2024年度
2025年度

■SUMMARY

プラスチック業界は、石油由来の高分子化合物を基盤とする産業であり、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を中心に幅広い用途で利用されてきた。上流のポリマー製造から中流の成形加工、下流の最終製品・リサイクルまで多段階のサプライチェーンで構成され、自動車、電子・半導体、建築、包装、医療など多様な産業を支えている。その利便性の高さから長らく市場拡大を続けてきたが、環境負荷の問題が顕在化した近年は、製造から廃棄までのライフサイクルを考慮した新たな事業モデルが求められるようになっている。

最近の動向として、世界的な環境規制の強化や脱炭素化の潮流を背景に、資源循環や環境対応型事業への移行が加速している。国内外で品目ごとの生産量推移にはばらつきが見られるものの、包装材や日用品では減少傾向が続き、半導体や光学、自動車の一部分野では高機能フィルム・樹脂の需要が拡大している。ケミカルリサイクルやバイオマスプラスチックの導入が広がり、製品設計からリサイクルまでを一体的に捉える動きが進んでいる。製造各社は高機能フィルムや先端素材の生産能力増強に向けた投資を進めており、成長分野での競争力強化が重要となっている。

市場面では、自動車や半導体など需要家の生産動向に左右されやすく、市況悪化や為替変動による収益面の不安定性も課題となる。加えて、事業再編や設備投資による先行コスト負担が短期的な収益を圧迫し、企業ごとに業績の明暗が分かれやすい環境が続いている。

主な課題として、使い捨てプラスチック削減に向けた国際ルール形成や国内制度整備への対応が挙げられる。国際会議ではプラスチックの生産規制や製品基準を巡る議論が本格化しており、企業は生産計画や原材料調達、品質管理を見直す必要が出てくる可能性がある。PFAS(有機フッ素化合物)など化学物質規制の強化は、代替素材の研究開発を促す一方、コスト増や技術負担を高めるリスクがある。

このレポートでは、プラスチック業界の市場構造や環境対応を中心とした最近の動向、制度改革や技術革新の影響について述べる。市場動向では用途別需要や資源循環の取り組み、国際交渉の進展などを取り上げる。業績動向では主要企業の2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • プラスチック・同製品製造業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気

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