レポート「三菱マテリアル」グループの栃木県内取引先実態調査

はじめに

東証1部上場の「三菱マテリアル」グループでも品質データの不正が発覚した。同社連結子会社において、過去に製造販売した製品の一部について、検査記録データの書き換え等が行われていた。品質データの改ざんは10月に神戸製鋼所でも発覚しており、日本の素材産業の強みと云われた品質面への信頼が大きく揺らいでいる。今後の動向によっては、栃木県内企業への影響も懸念されるところである。

帝国データバンク宇都宮支店は、企業概要データベース「COSMOS2」（県内約2万社）の中から、「三菱マテリアル」グループと取引がある栃木県内企業（個人経営、各種法人等含む）を抽出し、市郡別、業界別、年売上高別に調査・分析した。同様の調査は今回が初めて。

■調査対象とした「国内主要企業」は、三菱マテリアル本体のほか、2016年度・有価証券報告書に記載がある国内連結子会社21社および持分法適用関連会社7社とした＜6頁参照＞

■「三菱マテリアル」グループの複数社と取引関係がある場合は「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある

調査結果

1. 「三菱マテリアル」グループと取引のある栃木県内企業（個人経営、各種法人等含む）は合計で43社あることが判明。内訳は、仕入先・下請先が28社、同グループの販売先が17社を数えた。
2. 市郡別に見ると、「宇都宮市」（14社、構成比32.6％）がトップ。以下、「小山市」（6社）、「栃木市」（5社）、「佐野市」（4社）と続いた。
3. 業界別に見ると、仕入先・下請先は「建設業」と「製造業」が各11社で最多。販売先では「製造業」が11社で最も多かった。
4. 年売上高別に見ると、全体の72.1％（31社）が「10億円未満」の中小企業である。