レポート第12回 東海3県の航空機産業動向調査

合計売上高1940億9400万円、前期比3割減 ~ 「減収」8割超、「赤字」は3倍へ ~

2021/12/13
サプライチェーン  輸送機械

はじめに

航空機・航空機部品生産額に占める東海3県(愛知、岐阜、三重)の割合は全国の50%に達するといわれる。戦前の「ゼロ戦」に始まり、戦後は国産初の旅客機「YS-11」の生産拠点として航空機産業に関する技術的ノウハウを蓄積してきた歴史を持つが、国産ジェット機「スペースジェット」の開発が凍結されるなど、新型コロナウイルス感染症拡大によって航空機産業には厳しい逆風が吹き荒れている。

帝国データバンク名古屋支店は、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)をもとに東海3県に本社を置く航空機関連企業78社について、2020年度(2020年4月~2021年3月)の業績、事業規模、所在地などを調査・分析した。なお、同調査は今回が12回目。

調査結果

  1. 東海3県の航空機関連企業78社の2020年度(2020年4月~2021年3月)の売上高合計は1940億9400万円で、前年度から30.4%の大幅減少。「減収」企業は64社(構成比82.1%)と前の期(31社、同39.7%)から大きく増加した
  2. 2020年度の当期損益合計は、1118億9740万円の赤字。三菱航空機の赤字額(912億8900万円)が大半を占めるが、個社別でも「赤字」が21社(構成比42.0%)と前の期(7社、同13.2%)から3倍に大幅に増加している
  3. 全国の航空機関連企業229社のうち、東海3県に本社を置く企業は78社(構成比34.0%)、全国に占める割合は3割を超えた。愛知県は44社(前回調査と同数)でトップの座を堅持、岐阜県は33社で前回同様、3位となった
  4. 78社を従業員規模別に分析すると、「従業員100人以上」の企業が26社、33.3%を占めた。従業員の多い企業は、アイコクアルファ(1021人)、東明工業(815人)、三菱重工航空エンジン(701人)など
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