はじめに
大手自動車用電装部品メーカーのミツバ(東証1部)は、7月15日に500人規模の希望退職者を募ると発表した。国内のグループ企業含め2工場の閉鎖、海外拠点の統廃合とともに、国内投資ファンドから200億円に及ぶ出資を受け、構造改革を進める計画である。
これは2021年3月期から2025年3月期までの5カ年計画である「第12次中期経営計画」に基づくものであるが、本店のある群馬県桐生市、工場閉鎖が発表された新潟県南魚沼市や群馬県富岡市などにおいては、大規模な人員削減も行われるため、地場の取引先への影響も懸念され、今後の動向が注目される。
帝国データバンク群馬支店は、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)のなかから、ミツバを頂点とするグループ(以下、ミツバグループ)と直接、間接的に取引がある下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、都道府県別、業種別、年商規模別に集計・分析した。
ミツバグループの下請企業実態に関する調査は、今回が初めて。
■調査対象は、ミツバ本体のほか、同社の2019年3月期の有価証券報告書に記載がある国内連結子会社のうち、輸送機器関連事業会社(ミツバ、東日本ダイカスト、ミツバロジスティクス、モミモほか)の計9社とした
■抽出条件は、製造業、卸売業、サービス業の3業種<食品や非営利団体などミツバグループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の企業(個人含む)とした
■ミツバグループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした
■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある
調査結果
- ミツバグループの下請企業は全国で2401社(一次下請先277社、二次下請先2124社)にのぼることが判明。これらの一次下請先、二次下請先の総従業員数は12万7814人
- 都道府県別に見ると、「群馬県」(511社、構成比21.3%)がトップ。以下、2位は「東京都」(508社、同21.2%)、3位は「埼玉県」(266社、同11.1%)の順
- 業種別に見ると、一次下請先では「金型・同部品等製造」が18社(構成比6.5%)で最多。二次下請先でも、「金型・同部品等製造」が92社(同4.3%)で最多
- 年商規模別に見ると、「1億~10億円未満」が1259社(構成比52.4%)で最多。「1億円未満」(304社、同12.7%)と合わせて、全体の65.1%が年商10億円未満の中小企業

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