レポート「サンデン」グループの栃木県内下請企業実態調査

県内の下請先は69社(全国8位) ~ 下請先の集積地・群馬県に隣接する「足利市」が最多 ~

2020/07/10
サプライチェーン  機械

はじめに

自動車向け空調部品メーカーで東証一部上場企業の「サンデンホールディングス」が、6月30日に事業再生実務家協会に対し、事業再生ADR手続きについての正式な申請を行い、同日付で受理されたことを発表した。事実上の経営破綻状態と云えよう。今後、ADR(裁判外紛争解決手続)の規定に基づき、事業再生計画が立案されていくことになる。基本的には経営上の大きな足枷である金融負債の返済猶予を軸に、取引先への影響を及ぼさないというスタンスに立つが、13社あるグループ企業のすべての事業がこのまま存続することは考えにくく、様々な整理がなされることになるだろう。取引内容や条件も変化することは否定できず、どのような施策が打ち出されるか注目される。

そこで、帝国データバンク宇都宮支店では、企業概要データベース「COSMOS2」(栃木県内企業約2万2000社収録)のなかから、サンデンホールディングス及びグループ企業と、直接、間接的に取引がある栃木県内下請企業を抽出し、業種、年商規模、所在地などを集計・分析した。

■調査対象は、サンデンホールディングス本体のほか、同社の2019年3月期の有価証券報告書に記載がある国内連結子会社(サンデン・オートモーティブクライメイトシステム、サンデン・オートモーティブコンポーネントほか)の計13社とした

■抽出条件は、製造業、卸売業、サービス業の3業種<食品や非営利団体などサンデンホールディングスグループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の企業(個人含む)とした

■サンデングループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある

■サンデン・ビジネスエキスパート、サンデン不動産、三共興産の3社は他の連結子会社に合併されたため、今回の対象からは外した

■サンデン・リテールシステムは連結子会社から外れたため、今回の対象から外した

調査結果

  1. 「サンデン」グループの下請企業は全国で2134社、栃木県内には69社(一次下請先4社、二次下請先65社)にのぼることが判明した。栃木県の県別取引企業数は、第8位である
  2. 業種別に見ると、一次下請先では「金物卸」「工業用樹脂製品製造」など4業種で各1社判明、二次下請先では、「金属プレス製品製造」が5社で最多、「機械工具卸」と「工業用樹脂製品製造」が4社で続いた
  3. 年商規模別で見ると、「1億~10億円未満」が38社(構成比55.1%)でトップ、「10億~50億円未満」が13社(同18.8%)と続いた
  4. 市郡別で見ると、「サンデン」グループ企業の集積地である群馬県に隣接する「足利市」が25社(構成比36.2%)でトップ、以下「宇都宮市」が13社(同18.8%)、「佐野市」7社(同10.1%)と続いた
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