レポート

石油化学製品業界の動向と展望

2025/11/05

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

石油化学製品製造

2024年度
2025年度

化学品商社

2024年度
2025年度

■SUMMARY

石油化学業界は、石油ナフサや天然ガスを原料とし、基礎化学品から誘導品を経て、自動車部品や電子・電気製品、包装材など幅広い産業で使用される合成樹脂や合成繊維原料を製造する。ナフサ価格やエチレンプラントの稼働率が業界全体のコスト競争力を左右する重要な指標となっている。

日本の石油化学産業は、国内需要の縮小や製造業の海外移転に直面しつつも、高付加価値製品や環境対応技術の分野で競争力を維持している。一方で、国内内需の低迷や中国を中心とした海外市場の供給増加により、需給バランスが悪化していることが課題である。エチレンプラントの稼働率は低迷が続き、定期修理の負担も加わる中、国内拠点の再編や構造改革が進展している。また、脱炭素社会への対応が求められる中で、環境負荷低減型コンビナートやバイオマス製品への転換など、持続可能性を重視した取り組みが加速している。

市場動向をみると、2023年度はエチレンやポリエチレンの生産量が減少し、物価高や中国の生産能力増強による国際競争激化が影響した。2024年度も国内生産量の減少傾向が続き、エチレンプラントの稼働率は好不況の目安である90%を下回る状態が長期化している。

2025年度は、定期修理の減少による生産量の一時的な増加が見込まれるものの、国内需要低迷や中国の増産による供給過多が市場を圧迫している。ナフサ価格は下落基調にある一方で、地政学的リスクや為替の動向が不透明感をもたらしている。

このレポートでは、石油化学業界における最新動向や市場展望、業界が直面する課題について解説する。また、脱炭素対応や国内拠点の再編、事業構造改革の進展などを中心に、2023年度から2025年度までの市場動向を詳細に述べる。業績動向では主要企業の2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 石油化学製品製造業の業績動向
  • 化学品商社の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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