はじめに
コロナ禍の影響は大きく、栃木県の製造業界の中核を占める自動車業界でも大きな打撃を受けている。特に日産自動車は栃木工場を置いている関係もあり、県内中小企業との関係性は極めて密接だ。しかし、11月12日に発表した同社の2020年度上半期の連結業績を見ると、連結売上高は3兆927億円(前年5兆31億円)、連結営業欠損-1588億円(同+316億円)、当期純損失-3300億円(同+654億円)と、極めて厳しい内容になっており、特に日産グループと取引のある企業にとっては、動向を注視する向きもあるだろう。
帝国データバンク宇都宮支店では、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)の中から、栃木県内企業に特化し日産自動車グループと直接、間接的に取引がある企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、社数、従業員数(非正規社員を除く)合計、市郡別、業種別、年商規模別など各種集計・分析した。
■調査対象は、日産自動車のほか、同社の2019年度・有価証券報告書に記載がある連結子会社で、自動車及び自動車部品の製造・開発に関わる子会社7社(日産車体、日産自動車九州、愛知機械工業、ジヤトコ、日産工機、日産トレーディング、オーテックジャパン)の計8社とした
■抽出条件は、製造業、卸売業、サービス業の3業種<食品など日産自動車グループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の企業(個人含む)を「下請先」とした
■日産自動車グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」とした
■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、変動している可能性もある
調査結果
- 日産自動車グループと取引のある栃木県内企業、直接取引のある「一次下請先」は44社、さらに一次下請先と取引を行う「二次下請先」は254社確認された。合計298社で下請社数は全国13位の位置にあり、特に同社栃木工場との取引関係が密接であるとみられる
- 市郡別では「宇都宮市」が最多の75社、次いで「足利市」48社、「小山市」28社、「栃木市」及び「鹿沼市」各22社などが続いた
- 業種別に見ると、「各種機械・同部分品製造修理業」が18社でトップ、「金属プレス製品製造業」が16社で続いた。また、年商規模別では「1億~10億円未満」が174社で最多であり、年商10億円未満の企業が全体の74.2%を占めている

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