はじめに
ユネスコ無形文化遺産に登録され、ヘルシーさなどで世界的に「和食」人気が高まるなか、海外では和食にマッチする酒類として「日本ワイン」の存在感が高まっている。「日本ワイン」は、国産ブドウを100%使用して国内で醸造されたワインのことで、近年では日本固有のブドウ「甲州」で醸造された日本ワインが国際コンクールで上位入賞を果たすなど、国際的な評価も獲得している。
国内市場でも、2015年のワイン消費数量が過去最高の約37万kLを記録するなど、ワインの人気が高まっている。こうしたなか、2019年4月からチリ産輸入ワインの関税が完全撤廃されるほか、日EU経済連携協定(日EU・EPA)ではワインなど酒類の関税を即時撤廃することで大枠合意した。これにより安価なチリ産や、フランスやイタリアなどEU産輸入ワインが増加することで国内ワイン市場の活性化が期待できる半面、日本ワインなど国産ワインとの競争激化も予想される。
帝国データバンクは、信用調査報告書ファイル「CCR」や外部情報などを基に抽出したワイン製造業者のうち、2017年8月時点の企業概要データベース「COSMOS2」に収録されている206社を抽出・分析した。
■本調査では、葡萄酒醸造を行う企業全てを「ワインメーカー」として分析。このうち、「果実酒醸造業」を主業とし、葡萄酒醸造を専門に行っている企業を「ワイナリー」として分析した。
調査結果
- ワインメーカーは全国に206社、このうちワイナリーは138社判明。本社所在地別でワインメーカーが最も多かったのは「山梨県」の69社(構成比33.5%)で、このうち「甲州市」(33社)・「笛吹市」(14社)・「山梨市」(12社)の3市に集中
- ワイナリー138社のうち、2000年以降に設立されたワイナリーが36社(構成比26.1%)となり、全体の約4分の1を占めている
- 規模別では、従業員数20人以下の小規模ワイナリーが119社となり、全体の8割強を占める。売上高規模別にみると、最も多かったのは「1~10億円未満」の52社(構成比37.7%)
- ワイナリーのなかで、2016年に「増収」となったワイナリーは約半数、「増益」となったワイナリーは全体の約6割を占めた。一方、ブドウ価格上昇で「減益」のワイナリーもみられた
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