レポート

プラントエンジニアリング業界の動向と展望

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

プラントエンジニアリング

2024年度
2025年度

プラントエンジニアリング業界は、大規模な産業施設の企画、設計、機材調達、建設などを行い、発電所や石油精製工場、通信インフラなど多岐にわたるプロジェクトを手掛ける。また、建設後の運用や保守、技術サービスも包括的に請け負うことが多く、専業企業や重厚長大メーカーが参入している。国内受注が約8割を占めるが、海外プロジェクトのリスク管理も業績を左右する重要な要素となっている。

長期間にわたる工期や新興国でのプロジェクトが多いことから、発注者の経営悪化、資材価格の変動、自然災害、政学的要因などのリスク管理が業績を左右する。また、化学的処理を行う施設を建設することが多いため、工事現場での重大事故のリスク管理も重要である。

市場動向を見ると、2023年度のプラントエンジニアリング業の受注高は前年比で増加し、国内受注が海外の落ち込みを補った。2024年度も受注高は増加し、特に海外受注が大幅に増加したことが全体を押し上げた。2025年度の市場展望では、GX実現に向けた設備投資が期待されるものの、中東情勢や米国の脱炭素政策の後退など不透明要素も増加している。

企業の業績動向を見ると、2023年度は増収傾向が続くも、損益面では明暗が分かれた。2024年度は脱炭素関連投資が堅調も、中東情勢の緊迫化や物価上昇がマイナス要因となった。2025年度も同様の傾向が続き、地政学的リスクやアメリカの関税政策の動向などが業績に影響を与える可能性がある。

このレポートでは、プラントエンジニアリング業界の最新動向や市場展望、業績動向について解説する。また、業界が直面しているリスク管理の重要性や脱炭素への取り組みについても述べる。市場動向については、2023年度から2025年度までの受注高の推移や各業種別の受注額について解説し、企業の業績動向では2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

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