レポート特別企画 :2014年度長野県内建設業売上高ランキング(速報)
上位30社の総売上高は前年度比3.2%増の4136億円 ~ 増収企業は17社、前年度の29社から4割以上減少 ~
はじめに
アベノミクスがスタートして以来、景気の牽引役を果たしてきた建設業。それまで、建設業界は市場の縮小が著しく、全産業の中でも特に不況感が強かったが、2013年以降状況は大きく変化した。公共事業の増加、景気回復の広がりに伴う民間需要の拡大、さらに2014年4月の消費増税前の駆け込み需要などを受け市場が活性化。TDB景気動向調査における景気DI(建設業界)は、2013年9月に初めて良悪判断の境目である50を突破し、その後も堅調に推移してきた。
2014年度に入り、景気DIは消費税率引き上げ直後にいったん下降したものの、すぐに回復。2014年5月~11月は50以上を維持していた。しかし、12月に50を割り込み、年度末の3月には「44.9」まで後退。このように需要の浮き沈みに直面した建設業者の業績は2014年度、どう推移したのだろうか。
帝国データバンクでは毎年、県内建設業者の売上高ランキング(上位30社)を作成しているが、このほど2014年度のランキング(2014年4月決算~2015年3月決算対象)を集計し、分析した。なお、当ランキングは2015年5月26日現在で判明したデータに基づいて作成しており、連結決算を採用している企業もすべて単体の数字を用いている。また、3月決算で株主総会が終了していない企業の数字は決算案である。
調査結果
上位30社の総売上高は4136億8600万円、3年連続増加
2014年度県内建設業売上高上位30社の総売上高は4136億8600万円となり、前年度から3.2%増加した。前年度を上回るのは3年連続だが、増加率は過去最高となった前回の14.1%から10.9ポイント減と大幅に縮小している。
売上高トップは北野建設、上位6社の順位は変動せず
ランキングトップは、今回も北野建設(株)(長野市)。2015年3月期の年売上高は、前期比1.3%減の675億7800万円だった。同社がトップとなるのは、調査を開始した2000年度以来15年連続。また、上位6社には順位の変動がなかった。なお、上位30社中28社は前回と同じ顔ぶれである。
増収企業数が前年度から大幅に減少
上位30社のうち増収が17社、減収は13社。増収企業数は前回29社と過去最高を記録したが、今回は41.4%減と大幅に減少している。10%以上増は9社、30%以上増は2社。伸び率が最も大きかったのは、175.7%増のルートイン開発(株)(上田市)だった。

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