レポート

電力業界の動向と展望

2025/10/02

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

みなし小売電気事業者(旧:一般電気事業者)

2024年度
2025年度

その他の電気事業者

2024年度
2025年度

■SUMMARY

電力業界は、長年の地域独占体制から改革が進み、小売自由化や送配電分離が実施されるなど、大きな変革期を迎えている。政府はカーボンニュートラルを目指した政策を推進し、再生可能エネルギーの導入や原子力の活用を進める一方、石炭火力発電に対する国際的批判や地政学的リスクへの対応も求められている。

市場はデータセンターや半導体工場などの大型需要の増加により需要が拡大する一方、節電志向や料金値上げが家庭部門の需要を抑制するなど、複雑な動向を見せている。

市場動向を見ると、2023年度の販売電力量は減少したものの、2024年度は産業部門を中心に需要が回復し、増加に転じた。2025年度は横ばいまたは微増が予測されるが、家庭部門の省エネ傾向が続く一方で、AIやクラウドの普及に伴うデータセンター新設や電力シフトの影響が注目される。政策面では再生可能エネルギーの構成比率引き上げや原子力の最大限活用が進む一方で、電力需要の増加に対応するための供給力強化が焦点となっている。

電力業界における課題としては、脱炭素化政策の進展に伴う設備投資や技術革新の必要性が挙げられる。特に、火力発電所の廃止や再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力供給の安定性確保が重要となっている。

また、系統接続や出力制御の課題に対応するためには、地域エネルギー企業との連携強化が求められる。さらに、脱炭素化に向けた電力業界全体でのコスト負担や、新電力の市場シェア拡大に向けた競争が進んでおり、経済性と持続可能性の両立が喫緊の課題である。

このレポートでは、電力業界の市場動向や業績展望、政策の影響について解説する。市場動向については、2019年度から2024年度までの販売電力量の推移を俯瞰し、業績動向では、みなし小売電気事業者(旧・一般電気事業者)、および主要なその他の電気事業者(新電力事業者)について、2023年度および2024年度の実績と2025年度の見通しを詳述する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • みなし小売電気事業者(旧:一般電気事業者)の業績動向
  • その他の電気事業者の業績動向
  • 関連法規・団体
  • 業界天気図
  • 関連コンテンツ
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