レポート

「自動車整備」の倒産・休廃業解散動向(2026年上半期)

自動車整備、撤退が過去最多 「人手不足」で苦境鮮明

株式会社帝国データバンクは「自動車整備業」における倒産・休廃業解散の発生状況について調査・分析を行った。

SUMMARY

自動車整備を担う事業者の市場撤退が加速している。2026年上半期(2026年1月〜6月)に発生した「自動車整備」事業者の休廃業・解散(廃業)は259件だった。前年同期(186件)から約4割増加し、過去最多を更新した。倒産(負債1000万円以上、法的整理)に至った36件を含めると、半期で過去最多となる295件が自動車整備の現場から撤退した。

[注] 

「自動車整備業」:TDB業種細分類における「一般整備」「車体整備」など自動車整備業が対象

倒産:負債1000万円以上・法的整理による倒産

休廃業・解散:特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業(休廃業・解散とは、倒産(法的整理)を除く)

集計期間:2000年1月1日~2026年6月30日まで


自動車整備、撤退が過去最多 「人手不足」で苦境鮮明

自動車整備を担う事業者の市場撤退が加速している。2026年上半期(2026年1月〜6月)に発生した「自動車整備」事業者の休廃業・解散(廃業)は259件だった。前年同期(186件)から約4割増加し、過去最多を更新した。倒産(負債1000万円以上、法的整理)に至った36件を含めると、半期で過去最多となる295件が自動車整備の現場から撤退した。

2026年に倒産、休廃業・解散(廃業)となった自動車整備事業者をみると、資本金「(100~)1000万円未満」が115件となり、全体の約4割を占め最も多かった。個人事業主を含めた「100万円未満」(107件、38.4%)を合わせ、小規模な自動車整備の撤退が8割を占めた。

自動車整備は近年、パーツ類やオイル・油脂類、塗料など、整備に必要な資材の多くが価格上昇に直面している。また、車検や一般整備の汎用化が進んだほか、物価高による節約志向で自動車を修理しない、または必要最小限にとどめるケースも増え、ディーラーのほかカー用品店や車検専門店との価格競争も進み、厳しい経営環境が続いている。こうした中でも、損保会社から支払われる、整備工賃を含む自動車の修理費用が全体的に上昇していることを受け、自動車整備業界にとってはコストアップ分を価格に転嫁できる追い風も吹いた。そのため、ディーラーが受けきれない整備案件を中心に獲得するほか、特殊作業や「エーミング」など電子機器検査の標準化といった高度作業が可能な「自動車整備」事業者では工賃の値上げを行い、収益力を向上させたケースがみられる。

一方で、高齢によるベテランスタッフの退職と、整備士を目指す若者の減少を背景に、整備士や板金塗装工の確保が困難になっており、入庫制限するといった整備能力の低下も発生している。加えて、車の電動化や、先進運転支援システム(ADAS)など電子化・高度化に対し、家族経営などの零細規模では「新技術に対応した人材・設備がない」ケースが多い。こうした小規模な街の自動車整備では、保険会社や顧客への値上げ交渉・単価アップが満足に行えず、採算割れに陥りやすい構造を抱えている。

足元では、車の高度化に伴い整備作業の難易度が上がっており、設備面などで対応可能な中堅・大手事業者への集約が進むことで、設備投資や人材確保が困難な小規模整備工場の退出は今後も続くとみられる。ただ、ランプ切れなど軽整備でも「人手が足りず手が回らない」という声が聞かれ、カー用品店やディーラーでは長期にわたる整備待ちを余儀なくされるケースも多い。自動車整備の撤退が加速するなか、車の安全性を担保する地域インフラをどう維持するかの議論は待ったなしの状況となっている。

20260708_「自動車整備」の倒産・休廃業解散動向

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