レポート

「経営コンサルティング業者」の倒産・休廃業解散動向 (2026年1-5月)

「経営コンサル」 倒産・廃業が過去最多ペース  AI台頭で「補助金頼み」限界

株式会社帝国データバンクは、「経営コンサルティング業者」の倒産発生状況について調査・分析を行った。

SUMMARY

2026年1-5月に発生した「経営コンサルティング業」の倒産・休廃業解散の累計は242件判明した。前年(計568件)を約1割上回るペースで推移しており、年間では2000年以降で最多となる600件超のコンサル事業者が市場から退出する可能性がある。          

集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産

集計対象:休廃業・解散とは、倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業

集計期間:2000年1月1日~2026年5月31日まで


「経営コンサル」倒産・廃業が過去最多ペース 補助金頼み限界

2026年1-5月に発生した「経営コンサルティング」業の倒産(負債1000万円以上、法的整理)・休廃業解散(以下、「廃業」)の累計は242件判明した。前年通年の件数(計568件)を約1割上回るペースで推移しており、年間では2000年以降で最多となる600件超のコンサル事業者が市場から退出する可能性がある。生成AIの性能進化でデータ収集・分析や資料作成などのコモディティ化が進むなか、専門性で差別化できない事業者の行き詰まりが表面化しており、コンサル業の淘汰が鮮明となっている。

このうち、2026年に発生した経営コンサルティング業の倒産は74件となり、集計を開始した2000年以降で最多だった前年(167件、1-5月:69)を上回るペースで推移した。休廃業・解散は168件に上り、前年同期(149件)を19件・12.8%上回る水準で推移した。

経営コンサルでは、行政向け申請書類の作成といった「代行業」に依存していた事業者や、中古車・LEDを用いた節税スキームの指南など、実体的な付加価値を提供せず制度の「さや抜き」を主目的としていた事業者の破綻が目立つ。特に、コロナ禍におけるITツール導入に伴う「IT補助金」(現:デジタル化・AI導入補助金)の申請代行は、審査の厳格化や参入増、顧客需要の一巡によりビジネスモデルとして成立しなくなり、受注環境が急速に悪化した。また、小規模事業者では1案件に対する依存度が高く、クライアント側の予算見直しやプロジェクト中断による影響を受けやすい。一方で、固定費のなかでも最も負担の大きい「優秀なコンサルタントの人件費」を削減すれば、付加価値の源泉となる優秀な人材が流出し、結果的にサービス品質の低下と顧客の流出も招くことから、積極的に切り込みづらい。結果として、売上高の急減や高コスト体質による業績の悪化を招きやすく、資金繰りが破綻して事業継続を断念するケースが相次いだ。

国内の経営コンサルティング市場(事業者売上高ベース)は2023年度に4兆円を突破し、足元では従業員数も17万人に達した。しかし、伸び率は縮小傾向にあり、これまでの急拡大フェーズから明確な転換期を迎えている。顧客ニーズがリスクマネジメントやM&A、新規事業開拓といった高度で本質的な「課題解決」へシフトするなか、足元では基礎的なリサーチや汎用的な研修コンテンツが生成AIによって急速に代替されている。「生成AIによる業務代替」を直接の倒産理由とするケースはまだ確認できないものの、専門性による差別化を図れず、申請代行などの労働集約的・制度依存的なビジネスから脱却できないコンサルタント事業者は、生成AIの台頭による下押し圧力に耐えきれず、今後さらに淘汰が加速するとみられる。

20260605_「コンサルティング業界」倒産動向(2026年1-5月)

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