レポート

【注目業界】再生可能エネルギー業界の動向と展望(企業リスト掲載)

~「導入拡大」から、主力電源としての「安定運営」へ~

2025/12/29

SUMMARY

日本における再生可能エネルギー業界は、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの非化石電源を基盤に、開発・建設(EPC)・運用保守・系統調整・販売までを包含する裾野の広い産業である。国内では石油代替の研究開発段階を経て、2012年に導入されたFIT制度(固定価格買取制度)を契機に商用化と普及が進み、近年ではFIP制度(市場連動プレミアム制度)や入札、コーポレートPPAなどを通じて電力市場との統合が進展している。2025年2月に公表された第7次エネルギー基本計画では、再エネを含む脱炭素電源を最大限活用する政策目標が掲げられており、発電設備の増設だけでなく、需給調整力や環境価値の取引を組み込んだ事業設計が重要性を増している。

足元では、脱炭素とエネルギー安全保障の要請を背景に、導入拡大から安定運用への重心移動が進んでいる。洋上風力の制度整備、蓄電池の活用拡大、予測技術と遠隔監視の高度化、広域系統の強化検討が同時並行で進み、分散型電源や需要家側の調整力を活かす仕組みづくりが進んでいる。また、環境価値の取引や長期電力契約の活用により、電力量と環境価値を組み合わせた収益多層化が広がりつつあり、発電事業にとどまらないエネルギーマネジメントの競争が加速している。

一方で、制度移行期の価格変動リスク、系統制約と出力制御の常態化、立地選定と地域合意形成、環境アセスメントや景観・生態系配慮、資材・機器の調達変動、自然災害へのレジリエンス確保、長期O&Mとリサイクルを含むライフサイクル管理など、課題は連鎖的かつ多層的である。とりわけ、系統・調整力の不足は、設備増設の効果を減じるボトルネックとなりやすく、予測精度・蓄電・市場連携を束ねた運用力の優劣が投資回収と資産価値を左右する。

このレポートでは、再生可能エネルギー業界の定義と沿革、市場統合の進展、需給・系統を巡る最新動向、主要な課題とリスク、技術・制度の展望について述べる。あわせて、開発から販売までのバリューチェーンについても整理している。

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