持続可能な社会の実現を目指すSDGs（持続可能な開発目標）の浸透やエシカル消費への関心の高まり、さらには物価高騰や経済的不安定さに起因する消費者の節約志向が、「リユース業界」にとって追い風となっている。
フリマアプリやネットオークションの普及により個人間取引（CtoC）が活性化され、リユース市場の裾野は急速に広がった。また、従来の店舗型リユース業者に加え、オンラインプラットフォームを活用した新興企業の参入も相次いでおり、業界構造にも変化が見られる。
政府もリユースを含む循環型社会の形成を重要政策として位置づけており、2024年8月には「第五次循環型社会形成推進基本計画」が閣議決定された。この計画では、2030年までに循環経済関連ビジネスの市場規模を80兆円以上に拡大することが目標とされており、リユース業界はそれを担う存在としても注目される。
このレポートでは、リユース業界の成り立ちや市場動向、課題や今後の展望について解説する。
まず、リユース業界の定義とその特徴について触れ、続いて、日本のリユース業界の歴史を振り返り、現代における市場規模や主要プレイヤーの動向を述べる。また、社会的価値観の変化や技術革新、政策・法改正など、業界を取り巻く環境要因についても言及する。さらに、リユース業界が直面する課題やリスクについても考察し、最後に今後の成長可能性と展望を示す。