M&A仲介業は、企業の合併・買収を成功させるため中立的な立場で売り手と買い手の調整を行い、案件の発掘、マッチング、企業価値評価、交渉支援、契約締結支援など一連のプロセスを支援する。近年では、IT技術の進化によりM&Aマッチングプラットフォームが登場し、マッチングの精度と効率が向上している。
日本のM&A市場は、1980年代後半から1990年代初頭のバブル経済期に本格化し、その後のバブル崩壊にともなう企業再生の一環として活発化した。2010年代以降は中小企業の後継者不在問題が顕在化し、M&Aが事業承継手段として注目されるようになり、市場が拡大した。
2020年以降、コロナ禍の影響で企業の経営環境が厳しさを増す中、事業譲渡や売却の動きが加速し、M&A仲介業界の重要性はさらに高まっている。一方で、M&Aを巡るトラブル、とくに悪質な買い手による詐欺的な事例も散発しており、業界全体の信頼性が問われている。
この記事では、こうした背景を踏まえ、M&A仲介業界の成り立ちや市場動向、課題や今後の展望を解説する。
【目次】
- M&A仲介業とは
- 業界のなりたち
- 市場動向
- 主要プレイヤー
- 業界を取り巻く環境
- 業界の課題
- 今後の展望
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