本田技研工業と日産自動車が経営統合に向けた協議に入るという発表から1カ月半、2月6日には経営統合協議を打ち切る方針を固めたとの報道がされた。日産自動車は「様々な議論を進めている段階であり、2月中旬を目途に方向性を定めて発表する予定」(2月5日時点)としており、今後の動向に注目が集まっている。自動車業界が変革期を迎え、メーカー各社が競争力強化に向けて模索するなかで、サプライヤー各社においても、変化に対応しうる技術力強化と、各メーカー、さらには他のサプライヤーの情報収集や動向把握の重要性が一層高まっている。
帝国データバンク横浜支店では、保有する「商流圏※1」をもとに、日産自動車に対して部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)を「サプライチェーン企業※2」と定義し、調査・分析を行った。
<調査結果(要旨)>
- 日産自動車の「Tier1」は1817社、またTier1と取引を行う「Tier2」は1万2204社、「Tier3以降」は5063社となり、サプライチェーン企業の総数は全国で1万9084社
- 売上規模別では、「1億~10億円未満」が9732社(構成比52.4%)で最多。「1億円未満」(3901社、同21.0%)と合わせ、売上「10億円未満」が7割超を占めた
- 業種別では、Tier1、Tier2ともに「受託開発ソフトウェア業」がトップで、「自動車部分品・付属品製造業」が続いた。Tier3以降では、「一般貨物自動車運送業」が最も多かった
- 都道府県別にみると、「東京都」が3208社(構成比17.3%)でトップ、「愛知県」が2152社(同11.6%)で続いた。「神奈川県」は2051社(同11.0%)で、「Tier1」では355社(同20.3%)と東京都(751社)に次いで多かった
※注釈
※1. 商流圏
帝国データバンクが特許を取得した「個別企業間の全取引シェアを推計するモデル(NIHACHI)」を用いて、任意の頂点企業における商流上(サプライチェーン)の傘下企業や取引企業において、各社の売上高が頂点企業にどの程度依存しているかを算出(特許取得済)したデータ。
頂点企業の直接取引先(一次取引先、Tier1)だけではなく、頂点企業と直接取引がない Tier2(二次取引先)以降の間接取引でも売上高依存度を把握でき、頂点企業との取引額を推計できる点が特徴。
※2. サプライチェーン(SC)企業
上記「個別企業間の全取引シェアを推計するモデル」を用いて、任意の頂点企業に対して売上の 1%以上を依存している企業。
Tier3 以降は売上高 500 億円未満の企業を分析対象とした。
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