レポート東海3県の「神戸製鋼所」グループ国内主要企業の取引先実態調査

はじめに

東証1部上場の神戸製鋼所が、製品データの不正問題で揺れている。アルミ、銅製品などの関連データの改ざんのほか、連結子会社のコベルコ科研においてもデータ不正が発覚。米国でも大きく報じられるなか、主力の鉄鋼製品でも品質をめぐる不正が判明するなど、“ものづくり大国･日本”のイメージに大きな打撃を与えている。

10月12日には、トップ自らが「神戸製鋼所の信頼度はゼロに落ちた」と言及するとともに、新たな不正事案の可能性を示唆するなど、同社の不正問題は一向に収束の気配が見られない。

帝国データバンク名古屋支店は、企業概要データベース「COSMOS2」（147万社収録）の中から、神戸製鋼所グループと取引がある東海3県に本社を置く企業（個人経営、各種法人等含む）を抽出し、県別、業種別、年売上高別に調査・分析した。同様の調査は今回が初めて。

■調査対象とした「国内主要企業」は、神戸製鋼所本体のほか、2016年度・有価証券報告書に記載がある国内連結子会社18社および持分法適用関連会社6社とした＜4頁参照＞

■神戸製鋼所グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある

調査結果

1. 「神戸製鋼所」グループ国内主要企業と取引のある東海3県の国内企業（個人経営、各種法人等含む）は全業種合計で390社にのぼることが判明。神戸製鋼所グループの仕入先･下請先が255社、同グループの販売先が174社を数えた。
2. 都道府県別に見ると、「愛知県」が231社で47都道府県中6位、大安工場がある「三重県」は84社（同15位）、「岐阜県」は75社（同18位）。
3. 業種別では、仕入先･下請先企業は「他の一般機械器具卸」（13社、構成比5.1％）がトップ。販売先企業では、「鉄鋼・同加工品卸」（15社、構成比8.6％）がトップ。
4. 年売上高別では、全体の57.7％（225社）が「10億円未満」の中小企業だった。