レポート

銀行業界の動向と展望

2025/09/30

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

主要行

2024年度
2025年度

地方・第二地方銀行

2024年度
2025年度

ネット銀行等

2024年度
2025年度

■SUMMARY

銀行業界は、大都市圏を中心に全国展開する都市銀行(都銀)と、地域密着型の地方銀行(地銀)、そしてインターネット専業のネット銀行に分類される。

メガバンクを中心とした都銀は金融持ち株会社によるホールディングス化が進み、多様な金融ニーズに対応する体制を整備している。一方、地銀ではオーバーバンキングが指摘される中で資本提携や経営統合が進み、再編の動きが加速している。また、新形態のネット銀行は店舗を持たない利便性と競争力ある金利サービスを武器に業容を拡大している。

市場動向では、2023年度は景気回復に伴う資金需要が堅調に推移したが、倒産増加や与信費用積み増しの動きが見られた。2024年度には日銀の金融政策転換が本格化し、金利収益の増加や各行のフィービジネス強化が進む中で、資金収益の増加が業績を押し上げた。

2025年度においては、GX・DXへの成長投資やスタートアップ支援などにより国内外で貸出金の伸長が予測され、貸出金利の利ザヤ拡大が期待される一方、地政学リスクや世界経済の不透明感は依然として残っている。

業界が直面する主な課題としては、倒産増加による与信費用の増加や金融インフラの安全性確保が挙げられる。特に、2023年10月の全銀システムの障害発生や、2027年3月末の手形・小切手の廃止に向けた電子化の取り組みは、業界全体の信頼性向上と効率化が求められる。また、金利上昇局面における収益機会の拡大とともに、事業再生や事業承継、脱炭素など社会的課題への対応も求められており、金融機関の役割がより多様化している。

このレポートでは、銀行業界の最新動向や市場展望、業績動向について分析する。また、業界が直面する課題として、再編動向、電子化やDXの進展、金融インフラの安全性向上への取り組みなどに注目する。

市場動向では、2017度から2025年度までの貸出金残高(出典:日本銀行)の推移を掲載。業績動向では、2023年度から2025年度の業績について、主要行、地銀、ネット銀行それぞれの実績と見通しを包括的に取り上げる。フィービジネスや非金融分野の拡充に関する動向についても言及する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 主要行の業績動向
  • 地銀・第二地銀の業績動向
  • ネット銀行の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
  • 関連コンテンツ
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