レポート

非鉄金属業界の動向と展望

2025/09/30

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

銅・鉛・亜鉛製錬

2024年度
2025年度

伸銅品製造

2024年度
2025年度

アルミニウム製品製造

2024年度
2025年度

非鉄金属卸

2024年度
2025年度

■SUMMARY

非鉄金属業界は、鉄以外の金属を対象とし、ベースメタル(銅・アルミニウム・亜鉛など)、レアメタル(リチウム・コバルト・ニッケルなど)、貴金属(金・銀など)の三つに大別される。ベースメタルは産出量が多く、電子部品や建設資材など幅広い分野で使用されるが、市場価格は需要変動や投機資金の影響を受けやすい。レアメタルは採掘・製錬コストが高く、経済的・技術的に抽出が困難なため、安定供給が重要である。

非鉄金属のサプライチェーンは鉱山開発、製錬、加工の三段階に分かれ、国内では鉱石をほぼ100%輸入に頼っている。製錬業は為替や国際市況に大きく影響されやすく、各社は収益改善と原材料の安定調達のため、海外鉱山の権利取得や自主開発を進めている。

また、資源確保や技術獲得を目的とした業界再編やグローバル展開も加速している。M&Aや合弁会社設立を通じて、企業は事業ポートフォリオの見直しと成長領域への集中を進めており、ESG視点を取り入れた戦略的提携も増加傾向にある。EV・次世代電池・半導体分野の成長に伴い、銅・ニッケル・リチウムなどの素材供給体制強化も急務となっている。さらに、都市鉱山の活用やリサイクル技術の高度化により、環境対応と資源安定供給の両立を図る動きも活発化している。

市場動向を見ると、2023年の非鉄金属市場は、ベースメタルの生産量が全体的に減少する一方、アルミニウム二次合金地金の生産量は増加した。非鉄金属製品の生産量も、自動車向け以外は低調に推移した。2024年は、銅生産量は回復したが亜鉛生産量は減少。2025年上半期は銅と亜鉛の生産量が減少傾向で推移するものの、今後の非鉄金属製品の生産量は、AIサーバー向けやスマートフォン向け需要の回復、自動車生産の正常化による需要回復などのより全般的に持ち直すと見込まれる。

このレポートでは、非鉄金属業界の最新動向や市場展望、業績動向について解説する。市場動向については、2023年から2025年までのベースメタルおよび非鉄金属製品の生産量、伸び率の推移を解説し、企業の業績動向では2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 銅・亜鉛・鉛製錬業、伸銅品製造業の業績動向
  • アルミニウム製品製造業の業績動向
  • 非鉄金属卸売業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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