はじめに
2012年にPeach・Aviation(以下、ピーチ・アビエーション)、エアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパンの3社が相次いで国内市場に参入してから2 年余りが経過した。エアアジアとの合弁を解消し、ANAホールディングスが完全子会社化したバニラ・エアや、春秋航空日本の新規参入で、競合が激化している。こうしたなか、1990年後半に参入したベンチャー系新興航空会社のスカイマークが超大型機のエアバスの購入をめぐり、窮地に立たされている。また、羽田空港の発着枠を有するスカイマークを巡り、買収や出資など業界再編の可能性にも注目が集まっている。
帝国データバンクでは、2013年度の業績が判明している全国の航空会社18 社を対象として、経営状況を分析した。
同様の調査は昨年9月に続き2 回目。
◇ 損益については当期純利益で比較している
◇ 日本航空と全日空は除外している
調査結果(要旨)
1. 2013年度の収入高は、前期との比較が可能な15 社を見ると、「増収」が14 社(構成比93.3%)となり、全体の9割超を占めた。LCC3社を除いた15社の2013 年度の収入高合計は前期比7.4%増の4963億6000万円となっており、2 期連続で増収となった。
2.LCC3社を除く、国内中堅・新興航空会社15社の損益合計は、前期比66.9%の減益となった。LCCとの競合や、円安に伴う燃料・航空機材費の増加が収益を圧迫している。
3.ANA系のスターフライヤーとスカイネットアジア航空は、運行路線の組み替えやコードシェア(共同運航)の拡大で収入高が前期比2ケタの増加となった。
4.LCC3社の2013年度の収入高を比較すると、関西国際空港を拠点とするピーチ・アビエーションは、前期比112.7%増の約305億9500万円となった。当期純利益は約10億4600万円を計上しており、LCC3 社のなかで唯一黒字化を果たした。

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