レポート2017年10月の景気動向調査

製造業の景況感が過去最高を更新 ~ 国内景気は5カ月連続で改善 ~

2017/11/06

■調査結果のポイント

  1. 2017年10月の景気DIは前月比0.7ポイント増の49.1となり、5カ月連続で改善した。国内景気は、好調な輸出や旺盛な建設投資などから過去最高を記録した製造業がけん引するかたちで、回復が続いた。今後の国内景気は、外需主導のなか内需の持ち直しも期待され、回復傾向が続くと見込まれる。
  2. 『製造』『不動産』『小売』『運輸・倉庫』など8業界が改善し、『金融』など2業界が悪化した。好調な機械輸出や旺盛な建設需要などを背景に『製造』が9カ月連続で改善し過去最高を更新、「機械製造」「化学品製造」「鉄鋼・非鉄・鉱業」の3業種も過去最高となった。
  3. 『北関東』『近畿』『九州』など10地域中7地域が改善し、いずれも消費税率引き上げ後で最高となった。また、『四国』が悪化、『北海道』『東北』の2地域が横ばいで推移した。半導体や工作機械関連が好調だったほか、『九州』は災害復興に加え、住宅投資も活発だった。


< 2017年10月の動向 : 回復続く >

2017年10月の景気DIは前月比0.7ポイント増の49.1となり、5カ月連続で改善した。

『製造』が9カ月連続で改善し、過去最高を更新した。為替レートが1ドル=110円台で安定するなか、世界経済の回復を受けて機械や電子部品の輸出が好調なことや、旺盛な建設投資などを背景に、製造業のうち「機械製造」「化学品製造」「鉄鋼・非鉄・鉱業」の3業種も過去最高を更新。訪日外国人客の消費拡大や、急激な気温低下から季節商材が好調だったことも景況感を押し上げた。また、総選挙での与党勝利により経済政策の継続性に期待が高まったことなどから、日経平均株価が史上初の16営業日連続の上昇を記録したことも、一部業種でプラスに働いた。

国内景気は、好調な輸出や旺盛な建設投資などから過去最高を記録した製造業がけん引するかたちで、回復が続いた。

< 今後の見通し : 回復傾向続く >

国内景気は、好調な外需に加え内需の持ち直しも加わっていくと予想される。輸出は、世界経済の回復からIT関連を中心として、今後も増加基調で推移するとみられる。設備投資については、企業収益の改善や省力化需要の増加を背景として堅調に推移し、個人消費は、雇用・所得環境などの改善を通じて緩やかに持ち直していくことが見込まれる。一方で、人手不足の深刻化やコンプライアンス問題が企業活動へ与える悪影響、地政学的リスクの高まりなどには警戒が必要であろう。

今後の国内景気は、外需主導のなか内需の持ち直しも期待され、回復傾向が続くと見込まれる。

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